2018年 10月 19日 ( 1 )

10月1館目:朝倉彫塑館

今月はぐるっとパス消費月間のようになっています。無料で入れる施設を中心に訪問中。相変わらずのケチ根性で頑張ってます。

まずは朝倉彫塑館。この施設は、夏に図書館で借りてきた伊藤まさこさんの美術館めぐりの本に出ていて知りました。こじんまりした美術館をたくさん紹介している本です。この本に出ていた美術館のいくつかにぐるっとパスで行けます。

朝倉彫塑館は彫刻家の朝倉文夫のアトリエと隣接する旧宅を作品とともに公開している施設です。現在「彫刻家の眼」という特別展を開催中で、この彫刻家の作品だけでなく、コレクションした品々も展示されていました。コレクションは例えば根付け、茶道具(展示されていたのは茶碗ではなく茶杓のコレクション)、小さなガラス器、アジア各地からの舶来品、貝、ひょうたんなどの自然の造形物、刃物などの道具類などなど。解説によると多趣味の人だったそうです。洋風建築のアトリエと純日本建築の立派な旧宅はどちらも華美というのでもないけれど贅沢に作られていて、日本民藝館かそれ以上に整った空間に目を見張りました。旧宅のそこここから眺められる庭も完璧に手入れされています。建具や庭の石や家具類やらがとにかくお金がかかっている感じがする。
いったいどういう来歴の人なんだろうか?と資料を見ると、兄も彫塑家でその兄を頼って大分から上京し東京美術学校に入学、卒業と同時に谷中にアトリエと住居を構え(ということはやはり裕福な家庭の子弟だったのかな?)、その後順調に官展で受賞を重ね、母校にて教鞭をとった、とあります。芸術界のエリートだったのでしょう。

アトリエに展示されていた作品群は古典的な写実表現のものでした。巨大な(3~4メートルありそう)大隈重信像とか名前は忘れたけどもっとデカイ誰かの像もあった。ああいうのどうなんだろう。権力とお友達っていう感じでちょっと引きました、、、こういう作品を作る芸術家は、現役時代にあれだけ贅を凝らした居宅と品々に囲まれ、充実した広さと設備のアトリエを持ち、門下生を多数抱え、という人生を送れたのだなあ。まあ、私の偏見です。あ、でも腕~手だけのブロンズはよかったかな。デカイ彫刻の手だけをじっくり見るとかすると、ちょっと楽しめた。旧宅の方に、朝倉の趣味だった蘭の栽培に使っていた温室のような部屋があり、そこに猫のブロンズが多数展示されていて、こっちの方がとっつきやすいし面白かった。晩年の作品ということでギラギラした感じがないのが良かったのかも。
木彫作品は1つも展示されていなかったけれど、愛用のノミが何本か展示されていました。どれも元の長さの半分くらいまで砥いで短くなっていて、ノミってあそこまで使い込めるんだなあと思った。せっかくなら木彫作品が1つくらい展示されていたらよかったのにな。

作品をもう一度見たいとはあまり思わないけど、あの楓がたくさん植わっていた庭を紅葉のピークに一度見てみたいかも。いつかその時期にぐるっとパスを買うことがあったら見に行こうと思います。

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by fumiko212 | 2018-10-19 23:23 | アート | Trackback | Comments(0)