2018年 09月 30日 ( 1 )

9月5館目:内藤礼 明るい地上には あなたの姿が見える/水戸芸術館現代美術ギャラリー

久々に美術班遠足で水戸に行ってきました。きっかけは内藤礼さんの個展。私が今のところ国内で一番好きな美術館が瀬戸内海の豊島にある豊島美術館でして、この美術館は内藤礼さんの「母型」という作品だけを展示している美術館なのです。内藤礼さんの作品を他にたくさん見たことがあるわけではなかったので、少々遠いけれどこの展覧会にはぜひ行ってみたいと思っていました。美術班に緩めにお声掛けしたものの、暑いさなかだったので、涼しくなったらね~とそのまま放置になってた。日曜美術館のアートシーンに出たり、朝日新聞の夕刊に出たりして、ぼちぼち会期終了も近づいてきて、天気予報をにらみつつもう一回お声掛けしたところ、結局全員(4人)で行けた~。しかも社長に車を出してもらえてゴー!お世話になります。
水戸芸術館と言えば、あのグネグネしたタワーがランドマークになっていて、まずはそれを観るのが楽しみだった。タワーを知ったきっかけは、2011年の震災の時。水戸の放送局からの映像に必ず写っていて、あれはなんだろう?と思っていました。インター降りたくらいから遠くに発見できるのでは?と思っていましたが、結構近づいてからやっと見えました。近くで見て、正三角形を組み合わせた多面体だと知りました。満足。

内藤礼さんの展示は自然光のみで行われているそうで、雨曇りの天気予報だったこの日、私たちが着いた時間は曇天の光での鑑賞になりました。晴天だとどうだったかはわからないけれど、私は結構好きな感じの光の加減だった。私が思っている内藤さんの作品のイメージから大きく外れない、繊細な表現で空間を作っている印象。監視員の方々が目を光らせていて、そこから先は作品があります~と必死に鑑賞者をサポートしてくださっています。とても必要なのですが、あの真っ白な空間に紺色のユニフォームの監視員さんがやたら目立ったのが何となく残念、、、と思ってしまった。鑑賞者の方が人数は多いのにそれはあんまり全然気にならないのですが、監視員さんは神経をとがらせているからなのか、どうしても存在感が出ちゃうんだろうな。誤解のないように書いておくと、監視員さんがいない方が良いというのではないんです。視力が怪しい私は作品リストに書いてあるのが見つけられず、教えてもらったりして、いつも以上にお世話になりました。つまり、きっとそれくらい作品が繊細だったんだと思う。こういう展示って難しいな~。監視員さんがラフな格好をしてたら違ったのかなあ。豊島美術館は確かそんな感じだった。

繊細、繊細と繰り返し書いたけど、あの作品を今思い返すと、作家の勇気の結晶のように思えてくる。限られたモチーフを複数の部屋にちりばめて1つの世界観を提示する。その中でたった1つしかないモチーフもあれば、無数に繰り返されるものもあって、その選択と決定を繰り返して「明るい地上には あなたの姿が見える」を表現したのだから。
印象に残っているのは、暗い廊下から暗い部屋に置いてある2つ並んだ瓶を観たとき景色。その後ろに明るい部屋への入口が見え、その明りによって瓶が背後から照らされ半分だけ明るく光っているように見える。そしてそれが暗い床に反射している。それともう一つが、暗い部屋の床に置いてある小さな鏡に明るい部屋が写り込み、その光が床に反射した景色。

コンサートホールも、そこを本拠地としている楽団も評判がいい水戸芸術館。ロビーに展示されていた子供たちの水彩画も素晴らしかったし、こんな施設が近くにあったら豊かな気持ちがするだろうと羨ましくなる施設でした。来られて良かった。

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by fumiko212 | 2018-09-30 18:04 | アート | Trackback | Comments(0)