画家の足跡を巡る旅~ゴッホ終焉の地 オーヴェール・シュル・オワーズ~中編

b0031055_1265364.jpg「中編」って言葉、変ですね。2つにまとめられなかったもので…。
ゴッホの描いた教会でひとしきり感動したら、次はいよいよ、ゴッホ兄弟が眠る墓地へ向かいます。この坂を登るともうすぐそこが墓地のはずです。墓地は、地図で見ると、川に沿って東西に広がる村の一番東の端に位置しています。

b0031055_1273197.jpg真っ赤に紅葉した蔦の葉。この村の美しさは、村のまわりを取り囲む自然はもちろんですが、それだけではなくて、人の手を加えた部分、その温もりが感じられるところにあるように思いました。ゴッホがテオに宛てた手紙には、村の美しさが何度も綴られていますが、その頃もこんな優しい風景がひろがっていたんだろうな。ゴッホだけでなく、多くの画家に愛されたのも頷けます。
b0031055_1274564.jpgこの日、村に着いた時には曇り空が広がっていました。だんだん天気が良くなって、遠くのほうから光が差し込んでいます。まさにゴッホの絵の様な空。
b0031055_1335771.jpg墓地に入ると立派なお墓が並んでいますが、2人のお墓はその中では一番小さいくらいでした。左が兄ヴィンセント、右が弟テオのお墓です。蔦に覆われて墓石も半分隠れてしまっていますね。やはり、なんとなく手を合わせてしまいました。「ありがとう、そしてごめんなさい。」そんなことを思いました。2人はもっともっと描きつづけたかっただろうし、描かせつづけたかったんだろうな。
b0031055_1354694.jpg墓地を出ると、その先は畑が広がっています。この時期は農閑期だったのか、作物らしいものは特に見られませんでしたが、7月には黄金色の麦の穂でおおいつくされていたはずです。
b0031055_1362287.jpgこの看板で、ゴッホが死の間際に描いたとされている「からすの群れ飛ぶ麦畑」を描いた場所だとわかりました。やはり、ここには7月にもう1度来てみたいですね。この絵はアムステルダムのゴッホ美術館所蔵で、実物はまだ見たことがありません。でも、なんとなく好きな絵です。死を予感させる不吉な絵、と紹介されることが多いですが、それでも私は好きなんです。この日も、群ではないものの、数羽のカラスが畑をうろついていました。もしかすると、この絵はゴッホの心象風景ではなく、収穫間際の麦の穂を目当てに集まったカラスが本当に飛んでいたんじゃないかな?とも思えてしまうのですが。ゴッホの絵を何かと狂気や死に結び付けて語るのは好きでないので、カラスがいたときは、ほら、やっぱり実際にいたんじゃない、とついつい思ってしまいました。
b0031055_1375013.jpgb0031055_1383480.jpg畑を抜けて、出発点だったラヴー亭に戻り、2階のゴッホの暮らした部屋を見学。左は2階に上がる階段です。自然光はほとんど差し込まない真っ暗な階段でした。右はゴッホの部屋。その狭さといったら。天窓から光が入り、明るさは充分ですが、ここにベッドを置いたら、後は椅子とイーゼル、それでいっぱいいっぱいです。5ユーロ払ってここに入りましたが、なんとなく寂しい気持ちになりました。この村ではゴッホはほとんど外で制作したのでしょう。ここで描くことはほとんどなかったんじゃないかな?2階の奥で、村を紹介するビデオが上映されていました。順路的に、見ないと帰れないつくりになっていたので、仕方なく観賞。映像の途中に、テロップでゴッホの手紙からの言葉がいくつか紹介されます。日本語でも表示されました。なんだか涙が出ました。
-つづく-
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by fumiko212 | 2006-03-04 01:30 | -パリ(2005/10) | Trackback | Comments(4)
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Commented by Yuko at 2006-03-07 23:42 x
待ちくたびれました(笑)。でも、とてもとても素敵な内容、文章です。オーヴェールの教会、ゴッホとテオのお墓、ラヴー亭。ゴッホファンにはたまらない場所です。そしてゴッホの部屋の椅子。何だか胸がいっぱいになってしまいます。>>ゴッホの絵を何かと狂気や死に結び付けて語るのは好きでない>>私も全く同感で、うれしいです!きっとカラスがいたと思います。。。ゴッホは精神が錯乱している時には描かなかったと聞いていますし、「ドービニーの庭」や「アザミの花」とかやさしい作品もたくさん描いているのに・・・。私もいつか「ゴッホ巡礼」できますように。
Commented by fumiko212 at 2006-03-09 00:28
Yukoさん
お待たせしました!というか、待っていてくださってありがとうございます。
写真を見直していると、改めてオーヴェールの美しさがよみがえってきます。パリから1時間、早朝に出れば、暗くなる前にパリに戻れます。是非いらっしゃってください。できれば7月に!
>きっとカラスがいたと思います。。。
嬉しいなー。そうですよね、きっとそうだと思います。あの絵のカラスの群から不吉さはあまり感じられない気がしませんか?
私は次はアルルにやっぱり行きたいなー、と思っています。
Commented by musajin at 2006-03-11 22:52
もーもー、「つづく」のあとはまだなのー?
前にテレビで見た女優さんのゴッホ巡礼より中身が濃いもん。待ちきれなません。 特別ゴッホ好きでもない私でも行きたくなってるよー…
Commented by fumiko212 at 2006-03-12 23:14
むさじんさん
お久しぶりです~。もう、姿が見えないので、寂しかったですよー。
何もしない日曜日だったのに、また続きがかけませんでした。来週中には何とか。。。


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