画家の足跡を巡る旅~ゴッホ終焉の地 オーヴェール・シュル・オワーズ~前編

昨年10月のパリ滞在中に1日だけ郊外へ出かけました。目的地はゴッホ終焉の地、オーヴェール・シュル・オワーズ。パリから電車で1時間ほど。東京でいうと、鎌倉辺りまで日帰りで出かける感覚です。駅前は開発が進んでいるようですが、1本裏道に入るとゴッホの時代そのままの風景が広がる静かな農村で、ヨーロッパの田舎の雰囲気を充分に味わえます。

b0031055_16334834.jpgでは、早速オーヴェール・シュル・オワーズ駅からゴッホの足跡を巡る旅に出発。駅を出て、最初に出会うのがこの看板。村のいたるところに立てられている、ゴッホの絵の複製看板です。描かれた風景が観光客に一目瞭然、というわけです。
b0031055_16371310.jpgこちらがオーヴェールの村役場の今の姿。両脇の木の雰囲気まで当時のままのようです。本当にゴッホがここで描いたんだ、と思うとちょっと鳥肌モノです。

b0031055_16424850.jpgそして、通りを隔てた向かい側にはラヴー亭。ここはゴッホが死ぬまでの2ヶ月間、暮らした家で、当時は1階が居酒屋、2階が下宿屋でした。今では観光用に修復され、ゴッホ記念館となっています。修復されているとはいえ、やはり外観を見ただけで胸に迫るものがありました。2階のゴッホの部屋はそのままに保存されていますが、見学は後ほど。まずは観光オフィスに向かいます。オフィスはラヴー亭の裏手にあり、案内地図(日本語あり)などがもらえます。
b0031055_17103459.jpg地図を片手に、まずは村の東側へ向かいます。ラヴー亭の裏手の緩やかな上り坂を上ると、またここにも描かれた場所を示す看板が。「オーヴェールの階段」という絵になっている階段があります。
b0031055_16491966.jpg右に曲がると、車も人もほとんど通らないような小道になります。道の両側にはこぢんまりとしてよく手入れされた民家が点在していました。この家は花壇も綺麗にしてあって、お話の中に出てきそうな雰囲気。
b0031055_1718340.jpgこんな風に玄関のドアに、収穫した麦の穂を束ねて飾ってある家をよく見かけました。何かの意味のある飾りなのでしょう。ヨーロッパっぽくっていい感じ。
こんな家々を眺めながら、ゴッホはあの絵を描いた場所に向かって歩いていったんだろうな。あそこに行く道はここしかないんだから。。。と思うと興奮してきます。
b0031055_17361438.jpg程なく、一つ目の目的地、オーヴェールの教会が見えてきました。こちらが教会の正面。「ドービニーの庭」に描かれているのがこちら側です。残念ながら中には入れなかったので、そのまま教会の裏手に回ります。
b0031055_17392026.jpgb0031055_17475937.jpgついに、ついにこの地に立ちました!大感激!本当に絵のままです。手前の芝生や教会を取り囲むように二股に分かれる道も、まさに絵のままでした。空が薄曇りなのだけがちょっと残念。「オーヴェールの教会」に描かれているような、吸い込まれそうな真っ青な空を背景に見たらどんな感じなんだろう?
それにしても、ゴッホはなぜ教会の裏側を題材に選んだんだろう?確かに、この教会、裏側から見たほうが形が美しいけれど。祭壇の後ろ側から教会を描いたのには何か意味があったのだろうか?屋根がオレンジ色に光る瞬間は一体何時くらいだったんだろう。絵では教会の手前の芝生が教会の陰になっているから、夕方の西日に照らされていた時間だったんだろうか?
私が今立っているここでゴッホはあの絵を描いたんだ。本当にここに彼がいた。前日にオルセー美術館で見た絵の風景の中に自分がいる。NYでは映画のロケ地めぐりをたくさんしたけど、それとはちょっと違う、もっと生々しいものが感じられた気がする。

-つづく-
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by fumiko212 | 2006-02-26 03:20 | -パリ(2005/10) | Trackback | Comments(5)
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Commented by ひまわり2 at 2006-02-27 23:31 x
知っている風景にあうとうれしくなりますよね。
そして同じ場所で写真をとってみたくなることも。
言葉ではあらわせない感動が感じられます。
Commented by ps6 at 2006-02-28 07:47 x
絵画を見たとき、その絵のすばらしさにも感動するけど、「実際この前にたって描いていたんだ」と思うとその筆のタッチひとつひとつに見入ってしまいます。まさに「本当にここに彼がいた」という感覚ですよね。描かれた風景の前だったらその気持ちはなお更。私ははじめてモンマルトルに行ったとき「まさにユトリロの世界だ!」と感激したのを覚えています。
Commented by ps6 at 2006-02-28 10:17 x
そうそう昨日届いた雑誌「旅」、今回はパリ特集ですね~。
Commented by yuriko at 2006-02-28 13:25 x
オーヴェール・シュル・オワーズいいな~。行きたいな~
あの絵との対比!!感激しました。ありがとうございました!!
Commented by fumiko212 at 2006-02-28 23:43
ひまわり2さん
この絵の教会が本当にあるなんて、初めて絵を見たときには思っても見なかったです。それなのに、そこに行けちゃったなんて…。長生きはするもんですなー(笑)。

ps6さん
生身の人間である画家が立っていた場所だと思うと、やはり魂のようなものを感じずにはいられないです。確かに筆の跡を見たときも同じようにそこに生身の人間を感じます。その2つが繋がっている、ということに改めて興奮します。
パリ特集の雑誌も買い始めるときりがないですねー。いいなあ、職場で取っているのですね?

yurikoさん
オーヴェール・シュル・オワーズ、よいです!多分、ヨーロッパの田舎と言うのがいいんですよね。フランスのちっちゃな待ちを巡りたいです。
こちらこそありがとうございました!


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