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「ゴッホ展」と夜桜の夕べ(その1)

b0031055_18455269.jpg4月7日の夜、竹橋の東京国立近代美術館へ「ゴッホ展」を見に行ってきました。せっかく竹橋まで行くのだから、と欲張って、桜の満開時期にあわせ、ゴッホと夜桜見物の2本立てです!

日本で定期的に開催されるゴッホ展。混雑必至ですが、この日はかなりゆったりと観ることが出来ました。
ゴッホは約10年の短い画家人生の中で製作の場とその画風を大きく変えた画家です。一般的に一番人気があるのはアルル時代ではないでしょうか?花瓶に生けられた「ひまわり」が描かれたのもこの時代です。展覧会のポスターにもなっている「夜のカフェテラス」もアルルで描かれたもので、今回、私が一番楽しみにしていた作品です。
この絵の展示室に足を一歩踏み入れ、遠くからひと目見ただけで、今までポスターや画集で見ていたのとはまるで違う、色彩のクリアーな輝きに釘付けになりました。以前本で、「ゴッホといえば黄色と思われているが、ゴッホが最もよく使った色は白だった。」と読んだことがあります。ゴッホはパリで画商を営んでいた弟テオにに手紙で必要な画材を要求していました。その中で、黄色をはるかに上回る大量の白い絵の具を要求していたそうです。パリで浮世絵を見て、その画面全体を照らす光に魅せられていたゴッホは、全ての色に白を混ぜることで明るい画面を作り出そうとしたのだそうです。しかし、ゴッホといえば黄色、という固定観念により、ゴッホの絵を印刷する際には黄色が強調されることが多く、特に古い時代の画集では全体がくすんだように印刷されることが多かった、とのこと。この本を読んだ後に見た、損保ジャパンにある「ひまわり」も黄色に大量の白が混ざり、輝きを増していることが良くわかりました。(西岡 文彦著「二時間のゴッホ―名画がわかる、天才が見える」:お手軽なタイトルですが、内容はとても充実していると思います。)
そして、この「カフェテラス」。夜の風景ですが、テラスのランプを反射するテーブル、左手前に少しだけ見える窓ガラス、石畳、そして星が輝く夜空も満月の夜空のように乳白色に輝いていました。中央のランプは厚塗りされて盛り上がり、イーゼルを立てて描くゴッホの視線がこの眩しい光に向けられていた、その臨場感が伝わってくるようでした。

そのほかにも興味深い作品がいくつかありました。パリ時代の浮世絵の模写「花魁(渓斎英泉)」では緑の竹が赤の縁取りで描かれていたことを発見。これも実物サイズで見ればこそです。それから、ドラクロワやミレーの白黒の版画作品を色彩豊かに模写した作品、さらには暗い色彩で描いていたオランダ時代の自らの作品に色を与えて模写した作品。そして、最期に「ドービニーの庭」(広島美術館所蔵)が展示されていたのは嬉しい驚きでした。更に、ドービニーは地名じゃなくて人名だったという初歩的な勘違いにも気づいたのでした。(恥)

展覧会は5月22日まで開催。その後、大阪、名古屋に巡回します。
(4/10追記:「ドービニーの庭」の展示は4月26日まで)
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by fumiko212 | 2005-04-09 20:13 | アート | Trackback | Comments(5)
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Commented by Yuko200021 at 2005-04-10 23:00
Fumiko班長 「ゴッホ展」、本当に浸りました。ありがとうございました。
班長の観察眼のすばらしい文章にも感動しました。
1、2回目は激混みで、「行って、観れた」ということに感激しましたが、今回は近くから観たり、遠くから観たり・・・あ、、、やっぱりゴッホって素晴らしい!ゴッホの人生は・・・と改めて考えました。前回、「夜のカフェテラス」は混んでいる中、がんばって1番前で観れたのですが、照明が反射して、特に青の空が今一つ観にくかったのですが、今回は誰もいない遠くから観れて、この作品の素晴らしいさを改めて思いました。それにしてもあのランプ一つであの黄色の光を出しているのですから、凄い!
「ドービニーの庭」もよかったですね。ゴッホの死ぬ前にあのような美しい作品を残してくれたことは、ファンとして一段とうれしいです。そして、あの「額」は作品を引き立てています。クレラー・ミュラーもあの「額」を真似てほしいです。「夜のカフェ・テラス」や「種まく人」etc. ゴッホの作品にあの「額」ではソフトすぎます。(文字数が多いため、続きます)

Commented by Yuko200021 at 2005-04-10 23:01
(長々と、すみません)。「ドービニーの庭」は4月26日までなんですね。損保の「ひまわり」に変わるのでしょうか?その前にもう一度行ってみようと思います。もちろん、木、金に。あ~ 本当に幸せな時間でした。班長、皆様、ありがとうございました。
Commented by fumiko212 at 2005-04-11 21:25
Yukoさん
いっぱいコメントありがとうございます。この日はかなり空いていましたよね。良いタイミングに班活動が出来て良かったです。今回は「カフェ」に気持ちが行ってしまって、そこまでの時代は流して見てしまった感じがしてます。やっぱりもう1回かなー、って思っちゃいますね。
昨日の「新日曜美術館」はご覧になりましたか?「ドービニーの庭」はゴッホが穏やかな気持ちで自分の最期を予感し受け入れていたのだと思わせてくれる絵でした。絶望とか発作的というのとは違う思いが満ちていたと信じたいです。あの額も素敵でしたね。
Commented by yuriko at 2005-04-12 12:59 x
私も「夜のカフェテラス」好きです♪「夕方のカフェテラス」とも訳されてるときがありますね♪100年以上前の絵なのか~と見つめてしまいます。
寒い日にここでお茶したかったな~♪
Commented by fumiko212 at 2005-04-12 23:46
yurikoさん
そうか!夕方、というか宵の口の感じですよ、あの空は!
このカフェは今も営業しているそうですよ。名前は今はカフェ・ヴァン・ゴッホだったかな?確かテレビでそう出ていました。


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