お盆明け、大雨が降り続いた週末に関西へ。出発直前、及び現地滞在中に事情により元々のプランがことごとくキャンセルになりドタバタとプランを練り直しつつの旅になりました。ほとんどが一人行動だったのでかなり詰め込んで動きまくった大充実の2日間の記録。
まずは1日目、モノレールに乗って大阪府茨木市にある安藤建築として有名な光の教会へ。当初、見学日ではなかったので諦めていたのですが、直前に礼拝に出席してみることにしました。予約が必要なため、教会のサイトからメールで予約。返信は自動メールだけだったので、直前すぎて予約できなかったかな?と不安を残しつつ、ダメなら諦めて帰ろうというつもりで時間に合わせて教会を訪ねました。 教会に着くと既に礼拝に出席する方々が集まっており、ボランティアと思われる方に促されて、ビジターとしての礼拝参加の説明を受けました。住所、氏名などを記入し、礼拝出席の目的をチェックします。「見学を兼ねて」という選択肢もありホッとしました。ホームページの様子からは見学目的の参加はあまり歓迎されないかも…と不安だったので、ひとまずその目的でも来てよかったのかな、と思えたので。(ちなみに、予約の返信は自動メールのみとのことでした。) 聖書、賛美歌集などを借りて指定された席に着きます。進行表を見ながら、信者の皆さんに混じって聖書の朗読や賛美歌を歌うなどし、牧師様のお説教を聞く、という流れで進みます。考えてみたら日本で教会の礼拝に参加するのは初めてのことでした。牧師様のお説教は聖書に書いてあることを現代の身近な話題を例に解説してくださるなど、なるほどなと思えるお話でした。 驚いたことに、礼拝の最後に、今日初めて礼拝に参加した人の紹介をしてくださる時間があり、私を含め5人の来訪者が紹介されました。全員女性で、内3人は中国、香港、韓国からの旅行者(中国の方だけは5ヶ月の研修滞在の最後に関西を旅行中とのこと)。初めて直島に行ったとき(2003年頃)もそうでしたが、安藤さんは外国人に人気が高いことを実感。直島では欧米人が中心だったけど、今回は外国人はみんなアジア女性、私以外はみんな若者(多分みんな20代)。驚きました。 礼拝の後、出席者を出口で見送った牧師様が希望者に教会の建築に関する解説をしてくださいます。その後、自由に写真撮影をさせてもらえました。 信者の方々は昼食も取られるそうで、2食余っているのでお時間のある方はどうぞと声をかけてくださいました。私は次の予定があるのでお断りしましたが、2名の方が参加されたようです。(有料) 牧師様の解説が終わった後は、帰りがけの信者の方が工事中の写真や資料を持って来てくださったり、牧師様とはまた違った視点で、ここがいいのよ〜、と声をかけてくださったり、皆さんに受け入れていただいている空気を感じて、とてもいい時間を過ごすことができました。 そして、牧師様と信者の方々が、この教会に誇りと愛着を持って集っていらっしゃる様子が伝わってきて、見学だけでなく、礼拝に参加して本当に良かったと感じたひと時でした。 モノレールの駅から歩いてくると、まずは外から十字の窓を見ることになります。 角を曲がると入口。シンプルな十字架が掲げられています。 入口から祭壇側を見ると壁の後ろの十字に切り取られた窓から光が差し込みます。写真ではわかりにくいのですが、中央の通路は階段で、祭壇に向かってどんどん下がって行きます。先ほど書いた信者のおば様曰く、「ここがこの教会の特徴。普通は祭壇が高いところにあるでしょ。でもここは一番低いところにあるのよ。そこがいいのよ!よく見て行ってね〜。」とのこと。 牧師様は、「光の十字の事ばかりが有名だけれど、私はむしろ空間デザインが好き。長方形の空間に楔を打ち込むように1枚の壁が斜めに突き刺さったようなデザインなんです。」とのこと。この写真で伝わるでしょうか?左の壁が斜めに空間を切り取っており、先に行くほど左側の椅子の幅が狭くなっています。 先ほどの空間を区切る壁は長方形の箱の外まで突き抜けています。 壁の右上の二つの黒い円は換気口、その横の2本のラインは水はけの管なのですが、換気口は2つとも機能しているのですが、管の方は1本はダミーなのだそうです。安藤さん曰く、1本だとバランスが悪いやろ、とのことだそうです。 右側の建物も安藤さんの設計によるもので、元々礼拝堂だけだったところに後から増築されたものだそうです。予算は大変だったけれど、礼拝堂とデザインの統一性を持たせるために、安藤さんに再度依頼されたのだそうです。こちらの建物も同じく長方形の空間を壁が切り取るようなデザインとなっているそうです。 この階段は最後に安藤さんが2つの建物を繋ぐように加えたそうで、登って行ってもどこにもたどり着かない階段なのだとか。 パイプオルガンは礼拝堂完成当初はなかったそうですが、後年安藤さんのデザインのもと取り付け、上部に空調設備が隠されているそうです。それまでは冬は寒く夏は暑い、過酷な礼拝堂だったそうで、夏に35度の室温で、とても説教どころではなかった、とおっしゃっていました。 こちらは牧師館。これも安藤さんの設計による、木造建築です。 当初は礼拝に参加した後は、写真も撮れずに退出すると思っていたのですが、思いがけず充実した見学をさせてもらえました。この後の予定がかなり忙しくなりそうですが、写真を撮り始めるとついつい夢中になってしまいました。
by fumiko212
| 2014-09-09 01:20
| -国内旅行
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