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我が心のニューヨーク

今朝の朝日新聞国際面、見出しには「色あせる9.11」とありました。昨日は震災から1年半という区切りだったこともあり日本人にとっては別の意味合いを持った日という側面もあるかもしれませんが、本国でも11年の歳月はあの日の記憶を遠いものにしていっているのだと思います。

私はというと、9月11日という日付を見たときに、真っ先に思い浮かぶのはやはりニューヨークのことです。何か特別なことをするということもありませんが、オースターのエッセイ集「トゥルー・ストーリーズ」を読み返すことが多いです。
今まで何度も読み返していたはずなのに、今年ハッとする1文を見つけました。それは「覚え書き 2001年9月11日、午後4時」とタイトルの付いた短いエッセイの中にあります。
「こうしたことが起きうることを、私たちはみんな知っていた。その可能性を何年も前から話していた。でも悲劇が実際に起きてみると、それは誰が想像していたよりももっとずっと悲惨だ。」

何か悪いことが起こったとき、それが社会的な大きな現象であれ、個人に起こる些細なことであれ、すべてにおいてあてはまるこの言葉にドキリとした。ちなみにこの文章はそのあとこう続き、そして結ばれています。
「(一部略)この襲撃から生じる波紋は、さぞ恐ろしいものになるに違いない。さらなる暴力、さらなる死、全ての人にとってのさらなる苦痛。

こうしてついに、二十一世紀がはじまる。」

あの直後、ジョン・レノンの「イマジン」がラジオで放送禁止になったというニュースを聞いたとき、私もそんなことを漠然と感じたように思います。

その1年後のエッセイにはこのような言葉がありました。
「9.11はアメリカ史上最悪の日のひとつだった。が、あの朝に起きた悲惨な激変は、じっくり考えるための機会でもあった。みんながしばし、自分たちが何者なのか、何を正しいと信じているのか、もう一度問い直す時でもあった。」


色々と考えさせられる9.11ですが、私にとっては9.11前、そして9.11後のニューヨークのあらゆる場面に思いをはせ、「やっぱりニューヨークが好きだ~」とじわっと実感する日でもあります。旅行で何回か行っただけの場所になんでこんなに深い思い入れを持つのでしょうね。かつてNYに暮らしていたいとこからは「Fちゃんはきっと前世はニューヨーカーだったのね~。」としみじみと言われましたが、自分でもそれくらいしか原因を思いつきません。

ニューヨークであったことで思い出した話を一つ。ある洋服屋さんで買い物をしたときの話です。
その洋服屋さんの雰囲気が気に入ったので、「日本にもお店はありますか?」と尋ねたところ、店員さんが残念そうに「ないんです。」と答えてくれました。私がこのお店を気に入ったと感じてくれたらしく、「よかったらメールアドレスを登録しませんか?」とのことでメモ用紙にメールアドレスを書きました。私のメールアドレスにはある数字が含まれていて、それはニューヨークに関する数字だったので、アドレスを書きながら「私ニューヨークが大好きで、アドレスにこの数字を使っているんですよ。」と言ったら店員さんが嬉しそうに「私はロンドンが大好きなの。だからいつでもロンドンを感じたいと思ってる。だからあなたの気持ちもわかるわ!」と言ってくれました。
こんなやり取り一つを思い出してみても、やっぱりニューヨークっていいなーと思うのです。
ニューヨークにはいつでも元気でいてほしい。次に会えるのはどの季節のどんなニューヨークになるのか、そしてその時の私はどんな気持ちなのか、どちらも穏やかで笑顔であってほしいです。そうか、ニューヨークって私にとって大切な友達みたいな存在なのかもしれない。
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by fumiko212 | 2012-09-12 17:39 | ニューヨーク | Trackback | Comments(0)
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