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こんな風の強い夜には

Sallyさん「秋の夜長とサリンジャー」にTBさせて頂きます。(コメントがあまりに長くなってしまったので削除して自分のとこにつぶやくことにしました。)

今、東京はすごい強風が吹き荒れてます。こんなとき外に出なくちゃいけない用事が何もなく、家でぬくぬくしてて良い、という状況が結構好きです。

こんな風の強い夜には_b0031055_0294391.jpgSallyさんがサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」を読んでいらっしゃるそうですが、私が読んだサリンジャーはほとんどの方が読んでいると思われる「ライ麦畑でつかまえて」だけ。高校生のときに読みました。昨年、村上春樹さんが新訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を出版したとき、10何年ぶりに再読しました。村上訳の「ライ麦畑」はとてもしっくり来る感じでした。
そして新たな発見だったのは、物語の舞台であるマンハッタンの地理が手にとるようにわかる、ということ。主人公ホールデンが学校を飛び出してさまよっていたはマンハッタンのほんの小さなエリアだったんだってことでした。親はアッパー・イーストのアパートに住みプレップ・スクールに通っている少年という設定も今ならイメージしやすい。高校生の頃の私が、今くらいにこの設定を身近に感じてあの物語を読んだら、どういう感想を持ったかな?って思います。今読むとやっぱりお姉さんの視点になってしまってそこがちょっと残念でした。

こんな風の強い夜には_b0031055_0351741.jpgこんな風の強い夜には_b0031055_036649.jpg村上春樹さんの本は何冊か読んでいますが、まだまだ読んでない作品の方が多くて、今は図書館から借りてきた「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでいます。この作品は谷崎賞を受賞しているそうで、同じく谷崎賞を受賞している池澤夏樹さんの「マシアス・ギリの失脚」という小説が大好きだったので、谷崎賞つながりで(笑)長いこと気になっていたのに読んでいませんでした。珍しく上下巻揃って図書館にあったのでやっと読んでいます。

こんな風の強い夜には_b0031055_03719.jpg私は繰り返し読みたいと思う本以外は、図書館で済ますか、買っても読後に処分してしまうのですが、村上本で唯一手元に残っているのが「中国行きのスロウ・ボート」という短編集です。この中の「午後の最後の芝生」という短編がこれまでに読んだ村上作品の中では一番好きです。

ところで、村上さんと共著の作品も多いイラストレーターの安西水丸さん。20代の一時期、NYでお仕事をされていたそうです。マンハッタンを舞台にその時代を描いた自伝的小説「手のひらのトークン」という素敵な本を読みました。この本はNYLYの「Eat the big apple」でふぃふぃさんがご紹介されていたのを見て読みました。内容についてはふぃふぃさんが素晴らしい紹介文を書いていらっしゃったので是非そちらをご覧になってみてください。(リンク先のNo.7のところです。)
by fumiko212 | 2004-11-27 00:48 | 本・雑誌 | Comments(7)
Commented by さちえ at 2004-11-27 12:07 x
村上、安西コンビの本にハズレなし!が持論のわたしは、おそらくこの2人の本は全部持ってると思います。
ネットの「朝日堂」も良かったですよね。数年前、青山のスタバで安西さんをお見かけしたことがありました。声をかけたかったのですが、ちょっと躊躇。あのまんま(笑)の雰囲気でしたよ♪
Commented by まっち at 2004-11-27 14:00 x
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」僕のベスト本のひとつです。たぶん探せば3セットくらい出てくるかも(笑)。読んだのは、え~、大学の頃です。村上春樹、高校大学とはまりまくりでした。風、ピンボール、羊、の頃から。最近のは買うんだけどなかなか読み始めないので溜まる一方です。
Commented by fumiko212 at 2004-11-27 19:06
>さちえさん
村上、安西コンビの作品、考えてみたらほとんど読んでなかった。これから読めるのが楽しみです。
>ネットの「朝日堂」
って?全然知らない私。モグリです。さちえさんのブログで先日ちょっと書いてありましたね?イトイ新聞みたいなものですか?

>まっちさん
>僕のベスト本
それはこれからの展開が益々楽しみ!まだ最初の取っ掛かりのところなんですが、章が変わるたびにそっちだけをガーッと読みたくなる衝動を抑えるのが大変です。
Commented by まっち at 2004-11-27 23:06 x
今もし読み返したら、また違った感想になると思うけどね~。最後に読んだのはたぶん30歳くらい。「世界の終わり」の幻想的な光景にすごく惹かれますけど、「ハードボイルド~」のほうも嘘っぽくて好き(笑)。
読み終わったら感想ヨロシク♪

朝日堂、僕も大ファンです。もちろんWebも。懐かしい~♪これはCD-ROMになって発売されてますよ。(今でも売ってるかどうかは?)
Commented by fumiko212 at 2004-11-27 23:42
>最後に読んだのはたぶん30歳くらい。
同じ本でも年齢によって感じ方が変わりますよね。若い頃もっといろいろ読んでおけばよかったと思うことばかりです。
Commented by ふぃふぃ at 2004-11-28 00:06 x
Fでーす(笑)。Fumikoさんに、私の紹介文を見て読んだと言って頂いて嬉しすぎです~ありがとう!あの紹介文でもよければ、どうぞリンクしてください(^^)。
Fumikoさんも読書の晩秋(冬?)してますね~。そして皆さん村上春樹ファンなんですね。朝日堂は文庫本で一冊読みました!でも、他は全然読んでない・・みなさんのおすすめをメモメモ。そういえば、「ライ麦畑~」に心酔してジョン・レノンを射殺したマーク・チャップマンについての本(「ジョン・レノンを殺した男」だっけ?)は読みました~。
Commented by fumiko212 at 2004-11-28 00:25
ふぃふぃさん、気付いていただけて良かった!素敵な本を紹介してくださってありがとうございます。S&GのAmericaもとても好きな曲なんです。

NYに関するエッセーばかりが紹介されている中で、NYが舞台の小説を選ばれたふぃふぃさん、さすがです。こういう情報を待っていた!って飛びつきました。

NY好きの皆さんも是非読んで下さいねー。


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