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セザンヌ主義-父と呼ばれる画家への礼讃

セザンヌ主義-父と呼ばれる画家への礼讃_b0031055_2365317.jpg3連休の中日に横浜、みなとみらいへ。横浜美術館で開催中の「セザンヌ主義-父と呼ばれる画家への礼讃」を見てきました。

感想を一言で言うと、セザンヌはセザンヌで、セザンヌ主義はセザンヌ主義だった!(笑)
スイマセン。汗

展示はセザンヌの作品を、肖像画・自画像などの人物画、風景画、静物画、水浴のシリーズなどに分類し、それぞれの作品から影響を受けたと思われる他の画家の作品を並べて展示する、というもの。

模写とうたっている作品はいいとして、模倣作品はどう解釈すればいいのだろう?模倣ではなくて、構図や題材や画法のようなものをヒントにして、自分の作品に取り込んでいるものもあるけれど。。。

すべての画家が、何かすごいひらめきから生まれるオリジナリティだけで勝負できる天才なわけではなくて、新しい表現に出会って、最初はそれを模倣しながら、その中で自分のオリジナルな表現を探していく、職人的な器用さを持った人たちが多数派だったんだろうな、という気がしました。

一方で、キュビズムなんかだと、セザンヌ作品の1つの表現をヒントにして、そこからたくさんの実験を重ねて生まれた新たな表現、という感じがして、それがセザンヌを離れて独自の表現として育っていく過程を見られたのはおもしろかったです。

セザンヌが「近代絵画の父」と呼ばれる所以は、セザンヌが世に放った作品をヒントに生まれた潮流が、多様であったこと、それまでの流れとは一線を隔す新しいものであったこと、そういうことなのかな。

それから、この展覧会の解説に何度も名前が出てきたのが、画商アンブロワーゼ・ボラール。ニューヨーク、メトロポリタン美術展で、企画展"Cezanne to Picasso: Ambroise Vollard, Patron of the Avant-Garde(セザンヌからピカソまで:前衛のパトロン、アンブロワーゼ・ボラール)"を見たときに覚えた名前だけれど、セザンヌの最初の個展を開いたのがこの人でした。やはりこの人の先見性や審美眼も時代を動かしたのだろうと思いました。
by fumiko212 | 2009-01-13 00:02 | アート | Comments(2)
Commented by もっち at 2009-01-13 08:00 x
昨日行ってきました!
>セザンヌはセザンヌで、セザンヌ主義はセザンヌ主義だった
まさに、ですね~(笑)
これだけ多くの日本人画家に影響を与えてるというのは初めて知りました。
でももう少しセザンヌの作品を見たかったな~。
メトロポリタンでやった企画展はほんとよかったですよね。
Commented by fumiko212 at 2009-01-13 20:52
もっちさん
わー!1日違いでした!
セザンヌ主義の皆さん(笑)、特に日本人画家は、白黒印刷を見て研究したのかなー?なんて思うと、結構いじらしかったです。
METの企画展の時のセザンヌの部屋、すごかったですよねー。
あの時、もう2回くらい見に行っておけばよかった、って思います。
今年はゴーギャンの「我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか」が日本に来るんですよ。


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