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甲府でミレー展

大阪の話で勢いづいたので、その前の週の話も。
お盆休みは1泊で八ヶ岳まで。甲府で寄り道してミレー展を観てきました。
今年は誕生200年のミレーイヤーということで、ボストン美術館からも作品が来るようですね。
山梨県立美術館はミレーの作品を多く所蔵していることで知られていますので、私はこちらの展覧会を選びました。
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企画展では所蔵作品以外のものを、そして所蔵作品は常設展示エリアで鑑賞しました。
ミレーといえばゴッホが模写している農民を描いた作品が有名ですが、肖像画家の時代も長く、数多くの作品が展示されていました。
個人的な感想ですが、常設展示にあった作品の方が印象に残っています。

美術館には広い庭があり、彫刻作品が点在していました。オーヴェール・シュル・オワーズにあった、ザッキン作のゴッホ像がありました。
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ミレーのレリーフも。ちなみに右の人がミレーさん。左は同じくバルビゾン派の画家、テオドール・ルソー。
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現代作家のものらしき作品も点在していました。
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お昼は美術館のレストランでオムライス。この辺りの美味しい卵なのだとか。
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ここまで、かなり渋滞にはまってサービスエリアにも入れずヘトヘトだったのですが、気を取り直して次の目的地にGO!

つづく
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by fumiko212 | 2014-09-19 19:33 | アート | Trackback | Comments(1)

美術史美術館

ウィーンに行きたかった一番の理由は音楽じゃないのです。美術史美術館にある1枚の絵を観たかった。
それがピーテル・ブリューゲル(父)の「雪中の狩人」でした。四季を題材にした連作の中の1枚です。

同じ連作の別の1枚はニューヨークのメトロポリタン美術館にあります。記憶の中で私が見たブリューゲルの油彩画はその1枚きり。それ以外の作品は画集やテレビの美術番組でしか見たことがないのに、ブリューゲルは好きな画家の中の1人でした。そしてとりわけ好きな作品が、まだ見ぬ「雪中の狩人」。

到着翌日、到着日の暑さとは打って変わって真冬のような寒さの中、ありったけの厚着をして美術館に向かいました。入口の階段ホールのきらびやかさに圧倒されつつ2階の展示室へ。館内案内をもらわずに入ってしまったのでひたすら歩いてやっと見つけたブリューゲルの部屋。その一角にありました!おおおお!
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思った通り実物は素晴らしく、その素晴らしさは思った以上でした。

パリやニューヨークと違って、もしかしたらこれが最初で最後の鑑賞になるかもしれない、、、と思うと、気持ちが焦ってどこをどう見たらいいかわからない。ありったけの厚着のせいで頭もボーっとして、絵の前でくらくらしてしまい、室内の椅子に座ってしばし休憩。情けない。。。

マフラーやコートを畳んでバッグに詰め込み、もう一度絵の前へ。

黒々と描かれている狩人たちの背中、白く輝く遠くの山の頂、氷の上で遊ぶ人々、左奥の雪原の小さな人影、手前の石橋を柴を担いで歩く人、、、そして空にはその世界のすべてを眼下にとらえて舞う1羽の黒い鳥。

あ!これは広重の世界じゃないか!
それを感じてというわけでもないのだけれど、この絵を分解した写真を何枚か撮っていました。帰ってきて探してみたらあったあった。ちょうど1か月前にサントリー美術館で広重の版画を何枚か見たばかりで、その記憶が潜在意識にあったのかもしれない。どうでしょう?
広重をはじめとする浮世絵の絵師たちが西洋の遠近法に学んだ部分があるのであれば、どこかでこの絵の複製を観ていたのか?そして、広重もブリューゲルも市井を生きる普通の人々の日常を活き活きと描いたという共通点がある。。。

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単眼鏡を覗くと、遠くの小さな人たちの動きまでもが活き活きと、衣服の線までくっきりと描かれている。部屋の壁にかけてしまうと肉眼では見えなくなる部分まで細密に描かれていることを知り、キャンバスに顔を近づけて極細の筆で描くブリューゲルの姿が目の前に現れたようだった。

そんな細密な造形をもっとじっくり見るために、ミュージアムショップでこの絵のジグソーパズルを買ってしまった。旅行に行けない長期休みのお楽しみ。

他にもきらめくような作品をたくさん見たけれど、私はこの1枚を観られたことに本当に満足しました。この1枚のためにここまで来てよかった。
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by fumiko212 | 2014-05-13 22:27 | -ウィーン(2014/05) | Trackback | Comments(0)

美術班、静岡へゆく

6月の話です。
美術班で年に1度くらいは遠征したいのですが、なかなか叶いません。おととしは青森、直島、と頑張ったのに去年はゼロ。今年はあちこち候補はありつつ草間展巡回先で一番近そうな静岡が浮上。埼玉でやってた時になんで行かなかったんだ!と私の中では決め手に欠けていたのですが、その後、フジタ展も開催中と聞きつけて遠征先が決定しました。今回は過去の遠征ではバラバラだったYさんも揃って、ぷらっとこだまでゴー!のはずが、発売日からしばらくたってしまったためにチケット入手に大苦戦。行きは便は同じだけど席はバラバラ、帰りは便もバラバラになってしまいました。(チケット手配に大活躍してくださったM社長自ら1便早く帰京されました。すいません。)

美術班遠征恒例のM社長お手製の朝ごはんを電車で食べながら西へ!お米以外は全部社長の畑で採れたものなのです!何から何までいつもありがとうございます。
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途中、富士山が見え隠れ。私が撮れた一番いい写真はこれでした。
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静岡駅から在来線に乗り換えて2駅先の草薙へ。そこからはタクシーで10分くらいだったかな?小高い丘の上にある静岡県立美術館に着くころには、雨の予報に反してこの青空。雨傘しかないのに日傘が必要なほどの日差し!紫外線が痛い。晴れ女王M社長のパワーすごすぎです!
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さっそくの水玉オブジェにテンションが上がります。
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撮影可の作品がいくつかありつつ、近年の作品中心の展示でした。大画面の平面作品が何十点も。モノクロ作品は点と線、カラー作品は形と色。テレビでは体の自由はかなり制限されているような印象を受けますが、その中これだけの作品を生み出す体力がどこから湧き出てくるのでしょう。若いころの作品が1枚だけあり、その間が50年くらいすっぽりと抜けている展示だったのがちょっと期待外れではあったのですが、この人、もしかしたら200歳くらいまで生きるかも?と思えてくるような展示でした。
この日は子供向けのワークショップが行われていたようで、小学生くらいの子たちが展示室にたくさんいました。小4くらいの男子が「なんだこれ?きもちわりー。」と言いながらうろうろしていたりしてほほえましい。この子たち、今夜、知恵熱出したり、怖い夢観たりしないだろうか?と心配になってしまった。
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その後、この美術館の常設の目玉であるロダン館へ。企画展示室とロダン館をつなぐ通路では美術館考案のロダン体操の動画が放映中。一通り体操をさらって体をほぐしていざ展示室へ。
中央に地獄門、その手前の床にはダンテの「神曲・地獄篇」の一説が言語、英文約、各年代の代表作家(森鴎外や夏目漱石など)による日本語訳で展示されていました。
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ロダン作品は美術館が鋳造したものも含まれていて、この地獄門もその中の1つ。鋳造過程の写真展示もあり、興味深かったです。既にうろ覚えなのですが、フランス本国の原型から鋳造を行ったこと、鋳造できる数には制限があること(地獄門はまだMAXまでは鋳造されていないとのこと、それだけ大変なことなのだと思います。)、上限2つに分かれて鋳造されていること、重さが数トンあることなど、制作から展示に至るまでの苦労がしのばれます。ロダン館の完成と地獄門の公開は94年とのことで、もしかしたらバブル末期に企画されて、建設途中でバブル崩壊、というパターンだったのかも、と思うとますますよくぞ完成させたと思わずにはいられません。
この後の昼ごはんと午後のフジタ展への移動が気になってざっと見る形になってしまいましたが、もうちょっとゆっくりじっくりここで過ごすのも良いかもしれません。

お昼はミュージアムカフェ「カフェ・ロダン」へ。草間の水玉とコラボ中でした。
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このカップ、欲しかったのですがすでに完売。大きさもデザインも気に入ったのに残念でした。
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お昼を食べたら美術館前からタクシーで、静岡駅近くの静岡市立美術館へゴー!演歌歌手の追っかけをしているという運転手さんからその追っかけっぷりをいろいろ聞きながら20分ほどで到着。どの世界でもファンてありがたいですね。
フジタ展ともう一つの目的については別エントリにつづく。
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by fumiko212 | 2013-10-15 21:09 | アート | Trackback | Comments(0)

LOVE IS ART, STRUGGLE IS BEAUTY.-愛は芸術なり 相剋は美なり-

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エンタメ振り返りエントリ、次はアートです。

10月に始まった数年前の朝ドラ「おひさま」の再放送にはまっている今日この頃ですが、ドラマの舞台である安曇野は以前から行ってみたかった場所でした。去年の夏に訪問した時のお話です。

安曇野といえば豊かな自然をイメージしますが、私の目的は明治の彫刻家、萩原守衛とゆかりの作家の作品を集めた碌山美術館でした。あるご縁があって、学芸員の方から伯母を経由してお手紙と招待券をいただいていたのです。
レンガ造りの教会を模した質素な美術館に展示されたブロンズ彫刻作品群は、同じ日本人が作ったという背景があるからか、ヨーロッパやニューヨークの美術館で見るブロンズ像から受ける印象とは全く異なり、作家の息遣いのようなものが感じられました。

作品と同じくらいに興味深かったのが守衛の短い生涯をたどった展示。
安曇野の農家出身の明治の彫刻家、というイメージで私が描いていた生涯とはかなりかけ離れていました。
二十歳で上京、22歳でニューヨークに渡り名家の学僕として美術を学ぶと、24歳で渡仏、ジュリアンの画塾で学びます。28歳で帰国する折にはイタリア、ギリシャ、エジプトに立ち寄ります。ニューヨーク、パリでは高村光太郎、戸張孤雁など複数の日本人芸術家との親交がありました。(美術館サイト内の年表を参照しました。)それらが写真とともに展示されており、その時代のニューヨークやパリの風景の中に日本人芸術家の姿があるというのが新鮮だった。
彼らはある程度裕福な家庭の出だったというのもあるとは思うのですが、周囲の人々が才能ある若い芸術家が専門教育を受け経験を積む機会を得ることを支援していた。それは決して裕福な一部の特別な人ということではなく、少しの余裕のある人たちがその時々の方法で才能を育てていた時代だったように感じました。思えば、私がこの美術館を訪れたきっかけも、美術好きだった明治生まれの曽祖父の遺してくれた縁だったのです。
10代から常に病と隣り合わせだった守衛はわずか30歳と5か月で生涯を閉じました。

これらの展示を見た後で、もう一度一連の彫刻作品を見返すと、1つ1つの作品から伝わってくる波動のようなものがより鮮烈さを増したように感じました。

今回は真夏の訪問でしたが、晩秋にもう一度あの場所に行ってみたいような気がします。いや、1年で一番寒いこれからの時期に寒さに震えながらあの彫刻と対峙するのはどうだろうか。20代の若者が命を燃やすように創った作品を40代の鈍った頭で受け止めるには、そのくらいの心意気が必要かもしれません。
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by fumiko212 | 2013-01-11 00:30 | アート | Trackback | Comments(0)

クリュニー中世美術館とパリで出会った音楽

先日休日を1日潰してPCのお掃除(データの)をしたらかなり動きが良くなりました。2007年に購入した使用中のノートPC。Vista発売後に買った型落ちのXPをメモリ増設して売っていたのを格安で買いました。でもそれが間違いだったのか、2010年ころからHDの容量が足りなくなり、ちょっと油断するとすぐに1Gを切ってしまう状態に。それもそのはず、全体の容量も20G程度という今やiPhoneにも負けるHD容量の少なさだったのです(しかも2005年発売の機種だったと後日判明…)。音楽ファイルや画像データは外付けHDに移して容量を広げる努力をしていましたが、WindowsやiTunesのアップデートをするたびにヒヤヒヤしてました(実際容量不足で出来なかったこともあり)。それがネットを検索して見つけた情報に従って容量確保に励んだ結果今では7G以上の空き容量!また再びサクサクとはいかないまでもスムーズに文字を打てるようになりました。ということで最近結構頑張ってブログアップしているのです。やっぱりブログを書くのは楽しいな。

そんなわけで、おもむろに古ーい話がアップされている今日この頃ですがご了承ください。

今日は昨年10月に行ったパリ滞在最終日のお話。
最終日といっても滞在3日の弾丸日程、やっと街に馴染んできたころです。この日は朝から本格的な雨模様だったのですが、日曜日だから買い物も期待できないし、当初の予定通りモンマルトルを散策。この日のモンマルトルはワイン祭(収穫祭?)があったそうで早朝のサクレクール寺院周辺はたくさんのテントが準備されおいしそうな匂いもちらほら漂っていました。私たちは画家の足跡めぐりを予定していたのでで、オープン後の様子は確認できないまま、雨の中靴やら洋服の裾やら地図やらをじっとりと湿らせながら頑張って散策しました。一通り見たいところを見て、ランチを予定していた店へ。午前中だけやっていることは確認済みだったのですが、イートインコーナーは日曜日はやっていないとのことで、温めなくても食べられそうなお惣菜を選んでトボトボとホテルに帰着。
最終日、このままどんより夕方までホテルでボーっとしているわけにもいかず、かといって雨の中また出かける気力もいまいちわかないけれど、夕方からは教会にコンサートを聴きに行く予定を決めていたのでそれまでは自由行動ということにしました。時間は2時をちょっと回ったところで、コンサートに出発する5時までには3時間程度あります。Jちゃんはボンマルシェに買い物に行く(現地に行ってから知ったのですが、この週末はセールの始まる週だったかで特別に日曜日もデパートがあいている週だったのでした)とのこと。私は何も買うものないし、歩いていけるオルセーで「蛇遣い」に挨拶してくるか、とテクテクと出発。
そんな中途半端な時間にオルセーに行ったのは初めてだったのですが、着いてびっくり。入口前の広場は行列がとぐろを巻く混雑っぷり。ならばミュージアムパスの1日券を買おうとキオスクに走ったものの確か30ユーロ以上する値段を見て即座に却下。一応進み具合を見ながら最後尾についたものの入場できるのは1時間後かそれ以上か?という様子。なんてこった。
このままぶらぶらカフェでお茶してもいいけど、この滞在で1つも美術館を見てないし、小ぶりな美術館どこか見られないかな。歩いていけるオルセーに行って帰るだけのつもりだったので詳しい地図をホテルに置いてきてしまった。どんなに近くに行く時も地図を持たなきゃだめなんだよなー。
それでも近隣エリアの地図があったので、そこに出ていたクリュニー中世美術館なら電車で2駅程で行けることがわかった。行けたら行きたい美術館リストにも入っていたこの美術館に行ってみることに。前置き長くてすいません。

この旅で唯一のRERに乗って(あの雰囲気どうしてもビビってしまいます。なんでだろ?)最寄駅から外に出ると、このころにはほとんど雨も上がって木立の向こうに美術館らしき古い建造物が見えていました。
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表に回るときれいに整備された美術館の建物がドーンと。でも裏からの古びた感じも捨てがたい魅力があった。日曜の午後、この美術館にしては混んでいるのかもしれないけれどすぐに入場できる程度の人出にほっと一息。なんだか気持が軽くなってきた。美術館というのは不思議と心を落ち着け、疲れを癒す効果があるように思います。
チケット売り場では1人1人に販売員のお姉さんが何かを尋ねています。案内が貼り出してあって、4時という時間が見えます。「今日は何かのイベントで4時までしか見られないけどいい?」って聞いてるのかな?それだと小1時間しか見られないけど、5時にはホテルに戻らなきゃならないんだしそれでもいいか、と自分の順番になりました。同じように何か聞かれたのでとりあえず「うん」とうなずく。そしたら8ユーロ程度だった入場料がじゃあ20ユーロね(この辺の金額全部うろ覚えです。)みたいな感じに言われちゃった。あれ?なんか思ってるのと違うこと聞かれてた?と聞き返すと、「4時からコンサートがあるからそれも聴きたいか?」と言っていたらしい。(多分最初から英語で言ってたんだと思うけどよく聞きとろうとしてなかった。汗)あ、それはいいです、と入場料だけを払って内部へ。
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ステンドグラスや古いキリスト教の聖人などの彫刻や時祷書風の美しい書物などを見て回る。歩き始めるとさすがに午前中の疲れで脚が棒になっていることは無視できない。見た物は今ひとつ頭に入って行かないまま細かく分かれた部屋から部屋へテクテクと歩いて行く。はあ、疲れたよう…と、階段のある狭い通路を通って行くと一つの部屋から何やら音楽が聞こえてきた。
部屋をのぞくと、もとはこのお城のようなコの字状の建物の中庭に当たる部分だったようで、天井と簡易的な壁の後ろ側がガラスで覆われた温室のような明るい展示室でした。中央の1段高くなったところで3人のミュージシャンが見慣れない楽器を演奏しています。4時から始まるコンサートのリハーサル中の模様。今の時間は鑑賞者は自由に展示品を見学できるようなので、しばらくは周囲の展示品を見るためにその部屋を歩き回っていました。それにしても聞こえてくる演奏がすごくいいので気持ちは完全に音楽の方に行っていることに気づいた。見ると客席に座ってリハーサルを聴いている人がちらほら。ならばと私も客席でしばしリハーサルを聴かせてもらうことにしました。
古楽器のトリオで巨大なリコーダー風の楽器を構えている右側の人がリーダー?いろいろと指示を出していました。音もリコーダーに近い澄んでいながら温かみのある音です。真ん中の弦楽器の音は見てのとおりですがチェロに近い音。2枚目の写真の方が見えやすいと思います。左の男性は小型のパイプオルガンのような楽器。1列に並んだパイプの手前に鍵盤が付いていて、パイプの向こう側にアコーディオン風の空気を送る蛇腹が付いています。曲によって自分で空気を送ったり(と書きながら自分で出来るのかな?自分でやってたかな?と記憶があいまいです)、弦楽器の女性が蛇腹を押してあげたりしていました。
笛と弦楽器とオルガンの澄んだ音が石造りの建物に響いて本当に綺麗でした。あー、こんな時一人旅だったら予定変更してこのコンサートを聴くのになあ、とちょっと残念に思いつつ、係の人がコンサートの準備が始まるので退場してください、と声をかけるまで聴き続けてしまいました。
本当に素敵な音で、座っていたこともありますが、体の疲れだけでなく気持ちもかなりリフレッシュ
されていました。
帰国後に美術館のHPを見てみたら、定期的にコンサートが開催されているようです。(楽器の編成はその時による。)次回、パリに行くことがあったら滞在中にコンサートがないか必ずチェックしてみようと思います。
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気を取り直してもう一度展示室めぐりに戻りました。
この美術館の代表的な収蔵品である一角獣のタペストリーのシリーズのある薄暗い展示室に入り1枚ずつ観ていくと、1枚のタペストリーの前で足が止まりました。こ、これは!さっき見た楽器が図柄になっています!このタペストリーが作られた時代の楽器だったんですね。すごい偶然!としばし興奮。よく考えたら偶然ではなく収蔵品を用いた演奏会という企画だったのかもしれませんが、自分としてはあのリハーサル風景を見た後にこの1枚のタペストリーに出会ったことで短い滞在でしたがとても印象に残った美術館になりました。
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今の時代、旅先の情報はかなり細かいところまで事前にネットでチェックでき、それが旅の充実や安心や時間の節約につながることはとても多く、事前に調べたからこそできる貴重な体験や感動もたくさんあるのですが、こうして予期せずに起こった小さな出来事こそ旅の醍醐味だなーとも思うのです。
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美術館の背後にある小さな古い公園を通り抜けて駅へ。ホテルの最寄駅のサンジェルマン・デ・プレ駅から地上へ出ると、歩道で楽団が陽気に演奏中でした。演奏が終わると自分たちのCDを大声で宣伝し、また演奏。年齢を感じさせないパワフルな楽団でした。
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ホテルに着いた時はドロドロに疲れていて、教会コンサートへの出発予定時間までの10分間爆睡。文字の情報だけで見つけたコンサートだったのでどんな教会か行ってみるまで分からなかったのですが、大聖堂をイメージしていた私には拍子抜けする小さな教会でした。お客さんは観光客風の人ばかりできっと演奏も観光客相手のものなのだろうとは思いますが、こんな雰囲気もまたよし。イケメン風チェリストの演奏するバッハの無伴奏組曲。やはり石の建物というのはいい音が響くものですね。
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いろんな音楽に出会ったパリ最終日の長い午後でした。
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by fumiko212 | 2012-02-15 21:30 | -パリ(2011/10) | Trackback | Comments(2)

あおもり犬

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最初に見た。
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by fumiko212 | 2011-07-09 12:01 | -弾丸東北2011 | Trackback | Comments(0)

雨の日の美術館(パリで美術館めぐり④ オランジュリー美術館)

GWが近づいてきてきました。今年は旅行どころではないという空気ですが、皆さん粛々と準備を進めておられるようで、4月に入ってからこのブログで一番アクセス数の多いページはジヴェルニーのモネの家への行き方を紹介したエントリになっています。いい時期ですよね。

そこで、まだ完結していなかった2009年パリカテゴリで1つアップしようと思い立ちました。

旅先で雨のことを心配したことがないという幸せな晴れ男、晴れ女さんは別として、雨になってしまった日は美術館に行くのが順当な過ごし方のように思います。
帰国日はあいにく朝から冷たい雨が降っていて、前日のジヴェルニーの睡蓮の池が思った以上に素晴らしかったこともあり、オランジュリー美術館で旅を締めくくることに決めました。美術館は確か12時とか12時半とか遅い時間のスタートで、ホテルに戻る前にバターを買いに行きたいし、パッキングもあるしで、とにかく少し並んででも開館と同時に入館することに決めました。

b0031055_21461866.jpgこんな天気の月曜日なのに結構な行列。傘の水滴を払いながら美術館に入ると、長い傘の人は預けるように案内される中、折り畳み傘を持った私にはこんな綺麗なビニール袋を渡してくれました。
新しくなった睡蓮の展示室はこのときが初めてでした。以前と比べてさほど換わった感じがしなかったけど、きっとこんなに明るくなかったんですよね。睡蓮の庭を見た感動が残っているときにこの絵を観に行ってよかったと思いました。
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睡蓮の池のまわりを歩いたのと同じように2つの楕円の部屋をゆっくり巡ったらあっという間に時間が過ぎ去っていました。

最後に印象に残って写真を撮ったルノアールのいちごの絵。かわいいですね。横が40cmほどの小さな作品です。去年の夏に世田谷美術館で見たヴィンタートゥールコレクション展では、このいちごと同じ構図、同じ大きさ、そっくりな額装でレモンを描いた作品が展示されていました。オランジュリーのいちごと並べて飾りたい!と思ったのを覚えています。
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by fumiko212 | 2011-04-15 22:01 | -パリ(2009/06) | Trackback | Comments(0)

高いところの話(パリで美術館めぐり③ ポンピドゥセンター)

昨夜、友人達とごはんを食べながら、観光地を始めて訪れたとき、とりあえず高いところに上る派と上らない派がいる、ということを知りました。
私は上る派です。というか、誰もが上るもんだと思ってました。違うのかー。

例えば、初ニューヨークでは、エンパイアステートビル、ツインタワー、自由の女神の台座(王冠までは上っていない)に上ったし、その後、2000年台に入ってからオープンしたロックフェラーセンターにも上りました。
パリではエッフェル塔、モンマルトルの丘(サクレクール寺院の塔までは上ってない)、ミラノではドゥオモの屋上、台北でも高層ビルの展望台に上った。ロンドンで上れる高いところってロンドンブリッジ?あそこは確か行ってる。ロンドン塔ってのもあったっけ?ビッグベンには上れないですよね?
地元東京でも東京タワー、六本木ヒルズ、都庁ビル、サンシャイン、横浜のランドマークタワーあたりは全部上ってますよ。地味ですが三茶のキャロットタワーにも上ったし、用賀のSBSタワーではバイトしてた(最上階じゃないけど)。そうそう、国家試験を受けた年は気持ちよく受験勉強をしたくてヒルズの図書館の会員になって毎週東京の街を見下ろしながら勉強してました。
何度も上るわけではないので本当の高いところ好きではないですが(それと階段を使わないといけないところも上らない)、やっぱり1回は上っておきたいと思ってしまうなー。

昨年のパリ旅行では、高いところからの景色を期待して行ったわけではなかったポンピドゥセンターから思わぬパリのパノラマを楽しめました。

ポンピドゥセンターを訪れたのは今回が初めて。ガイドブックでよく見る、エスカレーターが外側に張り付いたビルがそれです。
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午後2時頃だったかな?かなりの長蛇の列に萎えそうになりながらチケットを購入して、エスカレーターで一気に最上階まで上ります。無意味に動画を撮ってみました。

ガラス張りの温室のようなチューブをズンズン上り、最上階に到着すると、そこには思ってもみなかったパリのパノラマ!おおおっ!とちょっとボヤーっとしてた頭がシャッキリしました。あの興奮は、高いところ好きの血が騒いでいたのか?

やはり一番最初に目に付くのはエッフェル塔。ポンピドゥセンターから見るとセーヌ川を挟んだパリの反対側になります。手前はマレのアパート群。屋根の上に何本もの煙突が突き出ているのが見えます。
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遠くに見えるのはデファンス地区の高層ビル群。ガイドブックでしか見たことのなかった、凱旋門をかたどったビルが見えます。
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この写真はオペラ座を写したんですが、わかるかな?丸いドーム屋根が見えています。
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エスカレーターで上ってきた方向を振り返るとモンマルトルのサクレクール寺院がそびえています。あそこは本当にパリの丘なんですね。真っ白な教会とあいまって、いつでも日の光を受けて輝いているように見えます。
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こんな風に美術作品越しにエッフェル塔が見える場所もありました。
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美術館のほうは、一番見たかった、というか、そのために来たマティスの「豪奢」が展示されておらずに空振り。午前中、もうひとつ別の美術館を観た後だったこともあり、展示室をささーっと流し見しつつ、おもしろそうな展示をいくつかじっくり見て終了でした。

一番おもしろかったのはポンピドゥセンター前の大道芸の人たちだったかも。このお姉さんのパフォーマンスはすごかったです。この広場ののびのびとした自由な雰囲気も良かったなー。あのまわりのカフェでのんびり過ごすのも良さそうです。

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by fumiko212 | 2010-05-23 21:26 | -パリ(2009/06) | Trackback | Comments(6)

夏の金沢紀行 その8 アンリ・リヴィエール展@石川県立美術館

b0031055_22453569.jpg前日、辻口カフェを訪れたときにすごい情報をゲット!辻口カフェの入っている石川県立美術館ではフランスの版画家、アンリ・リヴィエールの展覧会が始まったばかりとのこと。リヴィエールについては以前ここで書いたのですが、日本の浮世絵に影響を受け、下絵、彫り、摺り、をすべて一人でこなした木版画作品を残している版画家です。ニューオータニ美術館が「エッフェル塔三十六景」(リトグラフ)を所有しており、数年前にそのシリーズの一部を見てから、気になっていた版画家でした。
先日のパリ旅行のときに、パリのフランス国立図書館で企画展が開催中で、是非行ってみたいと思っていたのですが、時間切れで果たせず。それが金沢で見られることになるとは!すごいめぐり合わせに興奮しました。フランス国立図書館やオルセー美術館から作品がきているとのこと。

最初の展示室では、木版画を始める前の作品が並んでいます。カフェ・シャノワールで上映されたという影絵作品やそれを本にするための絵画作品、楽譜に絵をつけた作品など。夜の海を船が出港する情景や、牛追いの情景など、幻想的な風景画を背景にした影絵の数々は異国情緒があふれ、趣があります。
リトグラフの大型作品がいくつか続いた後、北斎や広重に影響を受けたと言われる、ブルターニュの風景を描いた作品群が続きます。木版画では海を描いた作品が多くありました。日本の浮世絵のような精密な表現はないものの、柔らかな波、岩に砕ける波など、多様な表現を模索しています。
富嶽三十六景や東海道五十三次にあるような、季節、時刻、天候の移ろいを題材にし、そこに暮らし、働く、普通の人々の日常を織り込んだ作品群を見ていると、時代や国が変わっても、自然とともにある人々の営みは変わらず、そしてその光景は郷愁を誘うものなのだな、としみじみと感じます。
特に印象に残っているのが「時の魔術」というリトグラフのシリーズ。場所を明記せずに描いた1日の時、天候の移り変わりを題材に描いたシリーズで、「満月」「上弦の月」「夜明け」「黄昏」「日没」など、太陽や月の光の変化や雨や風をテーマにした作品で構成されています。光の変化の表現が素晴らしかった。
念願の「エッフェル塔三十六景」全作品も展示されていました。この作品は最初の3枚を木版画で制作したところで、あまりに時間と手間がかかる木版画での制作続行を断念し、最終的にはリトグラフで全作品が刷られています。日本の大判の浮世絵の半分くらいのサイズの小さな作品で、建設中のエッフェル塔、エッフェル塔の上からの風景、セーヌ川越しの遠景、など、エッフェル塔のあるパリの町を様々な角度から捉えた作品が続きます。パリの風景を描いた油絵作品は多いですが、版画作品は色使いや線がやわらかくなり、洗練された印象でした。
展覧会は神奈川県立近代美術館 葉山、山口県立萩美術館・浦上記念館を巡回します。多分、葉山には行けないから、金沢で見られて本当にラッキーでした。
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by fumiko212 | 2009-08-01 23:20 | -夏の金沢紀行2009 | Trackback | Comments(2)

夏の金沢紀行 その2 金沢21世紀美術館

兼六園を小1時間散歩したあとは、いよいよ旅のメインイベント、金沢21世紀美術館へ。

b0031055_20232761.jpgb0031055_20234462.jpgまずは屋外作品から。
空豆のような、白玉団子のような、シルバーのオブジェが可愛らしい。
b0031055_20252194.jpg円形の美術館の建物の回りは芝生に覆われていて、あちこちにこんなラッパが突き出しています。ラッパは2つ組になっていて、地中でパイプで繋がっているそうで、呼びかけるとどこかのラッパに声が届く、という仕組み。ちなみにこの2つは仲良く並んでいますが、パイプは繋がっていませんでした。みんなで繋がっているパイプを探すのも楽しいかも?

館内は無料展示エリアと有料展示エリアに分かれています。基本的に企画展は有料、常設展は無料。でも小さな企画展は無料だし、常設でも、人気の「スイミング・プール」に潜るには企画展のチケットが必要です。

現在開催中の企画展は「愛についての100の物語」。展覧会は8月末までの開催なのですが、8月から始まる横尾さんの展覧会の準備のため、展示スペースが半分に縮小されていました。
展示は1つの展示室に1作品という贅沢なもので、例えば展示室1は、薄暗い部屋に舟越桂さんの彫刻が1点だけ。作品との対話が実現する空間です。
タイトルや作家名をメモしてこなかったのですが、自分の心拍数を電球の瞬きに移し、天井からぶら下げた300個の電球が、300人分の鼓動で瞬く作品が印象に残りました。部屋に入ると、300個の電球が瞬いているのですが、片隅にあるセンサーを両手で握ると、いったん全部の電球が消えます。しばらくすると目の前にある大きな電球が自分の鼓動の速さで瞬き始め、それが天井から吊り下げられた電球の1つに移ります。そこから1つずつ電球が灯り、私の前にセンサーを握った300人の鼓動と一緒に部屋全体の電球が瞬く、という作品で、自分の鼓動が天上の電球に移り、ほかの人たちの鼓動とともに瞬きだす瞬間は感動的でした。そして、次の人の鼓動が加わると、自分の鼓動は一つとなりの電球に移っていくのです。たくさんの人に囲まれて、それぞれの人と繋がっているようで、じわっときました。
他にも、古い窓をバベルの塔の様に積み上げた作品や、エジプトの遺跡のような巨大な壁面に黒々と開いた大きな穴(実際は表面に描かれている?)を見上げる作品等が印象に残っています。企画展では、たくさんのワークショップやパフォーマンスも行われていて、近くに住んでいたら、いろんな形で美術館とかかわれそうで、羨ましい限りでした。

さて、いよいよ念願の「スイミング・プール」の中に潜ります。アルゼンチンのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの作品。
雨降りだったので、水面に落ちる雨粒が輪を描いていました。
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もちろんここで記念撮影。子どもたちはおおはしゃぎ、大人もみんな嬉しそうです。
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今度来たときは青空を見上げてみたいなー。雨には雨の良さがありましたけどね。
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外に出ると一瞬雨がやみ、プールサイドに出ることができました。(雨天だと出られません。)
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下に潜っている人たちがこんな風に見えます。知らない人同士なのに、なんだかお互いに嬉しそうに手を振り合います。この作品、何てことないのにみんなが大好きな理由がわかった気がしました。ここにいると、自然と笑顔になってしまうんですよね。
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これも企画展の一部かな?床一面に塩で幾何学的な模様を描いた作品です。製作過程を思うと気が遠くなります。
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これも作品の1つ。できたひょうたんは乾燥させて楽器にするのかな?
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続いて、企画展示室で編み物作家の広瀬先生と西山美なコさんのコラボ作品「ニットカフェ・イン・マイルーム」を鑑賞。カラフルなニットのコサージュで覆われたラブリーな部屋でした。ニットのコサージュを編むワークショップが開催されていて、自分の編んだコサージュが作品の一部に使われるとのこと。時間があれば参加したらおもしろいかも。

美術館を半周したところで、こちらも念願だったタレルの部屋に到着。白い漆喰の壁と石の床で覆われたがらんとした部屋に入り、壁際の石のベンチに座って天上を見上げると、そこには明るい空が切り取られ光っていました。天上のつくりが不思議で、天上の厚みがまったく見えないので、平らなスクリーンのように見えてくるのです。
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この窓から空を眺めるのは、波を見ているように、いつまで見ていても見飽きることがない。夕暮れ時に空の色が変化する様がとても美しい、という話なのですが、今回は日没体験はできず。作品名は「ブルー・プラネット・スカイ」。ここは晴れた日にもう一度訪れたいです。
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ここも素敵です。友禅柄の壁画。華やかです。
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椅子もかわいい。
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最後に中庭にあるパトリック・ブランの「緑の橋」。金沢の気候に適した70種の植物が植えられているそうです。この先、どんな風に変化していくのでしょうね。
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こうしてみると、かなり盛りだくさんですが、展示スペースが半分になっていたこともあって、もうちょっと見たい!というボリュームでした。全展示スペースがオープンしていれば、ちょうど良い広さかな。
ミュージアムショップは書籍がとても充実していました。ミュージアムカフェはもうちょっと頑張って欲しい。ここではとりあえずランチをして、絶品金沢スイーツを求めて、県立美術館に移動。こっちのミュージアムカフェはすごいですよ~。お楽しみに!

つづく。
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by fumiko212 | 2009-07-27 21:44 | -夏の金沢紀行2009 | Trackback | Comments(4)