私とシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ

我が家では、2つの在京オーケストラの定期演奏会の会員になっています。1つがN響のAプロ、もう一つが東京交響楽団のサントリーホールの定期演奏会です。元々は父が買っていた席ですが、父が他界した後も契約を続けていました。2つの定期演奏会が重なることはめったにないのですが、今日は重なってしまい、母とチケットを分け合いました。以前は私がコンサートに行くことが多かったのですが、最近は、ほとんどすべて母が聞きに行っていたので、父の席でコンサートを聴くのは久しぶりでした。
今日、私が聴きにいったのは東響のほう。今シーズンを最後に解約することにしているので、この席でコンサートを聴くのも最後になると思います。

演目はジョン・アダムズ作曲 オペラ「フラワリング・ツリー*花咲く木」。ステージ上には手前にオーケストラ、後方に更に1段高くなった舞台があり、そこでソリストが演技をしながら歌う、セミ・ステージ形式での上演でした。
この作品はアメリカ人作曲家、ジョン・アダムズの最新オペラで、2006年11月にウィーンで初演され、今日は日本初演とのこと。プログラムガイドによると、セミ・ステージ形式での初演は06年12月、サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルにより行われたとのこと。

あら!なんだかタイムリー!
私がサントリーホールまで定期券でいけるから、という理由で東響のチケットが私にあてがわれたのですが、こういうちょっとしたことで興味がわくものです。
それから、元々クラシック音楽に詳しくない私にとっては、日本初演、というのも魅力です。何の知識もなくても、音楽そのものを遠慮なく楽しめる感じがして。定演のチケットを買っていると、こうしてたまに初演の演目を聴くことができるのがいいですね。自分では絶対にチケットを買いませんから。

今日は、開演前に、演出家のピーター・セラーズのレクチャーがありました。その中で、このオペラはベネズエラのシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ(SBYO)のために書かれたという話があって、またまたタイムリー!プログラムガイドにはSBYOのことは一言も書いてなかったのですが、ウィーンでの初演時のオーケストラはSBYOだったのです。
SBYOはベルリン・フィルのヴァルトビューネ・コンサートで一目(一聴)惚れしたグスターボ・ドゥダメルが率いるベネズエラのオーケストラ。今日の午前中も、ドゥダメル指揮のSBYOの3枚のCDを聴いていたところでした。こういう偶然が重なることがたまにあるのですが、今日もそうでした。

セミ・ステージ形式のオペラの演奏会は初めてでしたが、なかなか楽しめました。開演前のレクチャーでは、セラーズがオペラ形式での上演との違いを「ミニマムな表現をすることで、観客は自分のイマジネーションを働かせ、作品の創造に参加することが出来る。」と説明していました。

ストーリーはモーツァルトの「魔笛」からヒントを得ているとのことですが、舞台は南インド。美しい花を咲かせる木に姿を変えることの出来る不思議な力を持った娘と、娘を権力で自分のものにする王子が主人公。王子が真の愛を知るための試練を経験する物語で、人間のエゴにより自然を破壊することの愚かさをテーマにしています。
舞台上には娘と王子、ストーリーテラーの3人ソリストと、ジャワダンサーが3人。ソリストは演技をしながら歌いますが、ダンサーが登場人物の感情をよりフィジカルに表現します。
セットは何もなし、第1幕はソリストもダンサーもジーンズ姿、という、本当にミニマムなステージですが、ジャワダンサーの繊細な指の動きの表現力が素晴らしく、オーケストラの奏でる幻想的なメロディと相まって、娘が木に姿を変え、美しい花を咲かせる情景を見事に表現していました。

たまにテレビで、斬新過ぎてちょっとついていけないような新演出のオペラ中継を見ると、やっぱりオペラはトラディショナルで豪華なセットと衣装じゃなくちゃ、と思っていたけれど、シンプルなセットで自分のイマジネーションを働かせる、という見方もおもしろいかもな、と新発見。





家に帰ってきて、気になっていた初演のSBYOのことを調べようとネットを検索していたら、今日の「花咲く木」とは関係ないのですが、SBYOつながりでビックリな出来事を発見。

「花咲く木 シモン・ボリバル」でググッたら、なぜか井上道義さんのHPがヒット。なんだろう?と見てみたら、今年の10月にベネズエラの首都カラカスで井上さんがSBYOを指揮していたのです。但し、SBYOのOB的存在のシニアオーケストラの方。SBYOにシニアがあることは、今日のコンサートでもらったSBYO来日公演のチラシを見て始めて知ったのですが、そのオケを大好きな指揮者の井上さんが振ってたなんて!
そのコンサートについてのマエストロのコメントを読んで更にビックリ!「小曽根さんが一緒に行ってくれたので落ち込まないですんだ旅行だった。」落ち込む?ちょっと気になるコメントですが、それよりも、小曽根さん?!
プログラムを見ると、「G.ガーシュウィン : へ調の協奏曲 / 小曽根真[Pf]」と書いてあります。えー?小曽根さんも共演してたのー?
焦って小曽根さんのHPを見てみると、10月に小曽根さんが「これからベネズエラのカラカスに参ります。」という書き込みをされていました。その中で、SBYOのこと、SBYOの母体となっているベネズエラの音楽プログラムのことについても触れられていました。

ここまで来ると、私はSBYOに出会うべくして出会ったとしか思えません!12月の来日公演が本当に楽しみっ。
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by fumiko212 | 2008-12-07 01:50 | 音楽 | Trackback | Comments(2)
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Commented by yuricoz at 2008-12-07 15:16
すんごい偶然!!というか、まさにfumikoさんのための出会いだったのでしょうか?
わたしなんて、まったくもってチンプンカンプンな世界だからな~
うらやましい~!!
Commented by fumiko212 at 2008-12-09 20:00
yurikoさん
わけのわからない話にお付き合いいただいてありがとうございます。笑
もーひとりで興奮してます!


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