人気ブログランキング | 話題のタグを見る

沙漠の王国ヨルダン展

沙漠の王国ヨルダン展_b0031055_1213314.jpg久々に美術館に出かけました。世田谷美術館で開催中の「沙漠の王国ヨルダン展」。
先日の日記に書いた「パレオマニア」を読んでから、古代への思いが募っていたので、今日はかなり心躍りました。一番最初の展示品は50万年前の石器。本物の石器をじっくり見たのは初めてだった気がします。子供の頃の教科書に出ていた石器の写真を見たときはタダの石とどうやって見分けられたんだろう?って素朴に思っていたのですが、実物を見たら人間の手が加わった道具であることがひと目でわかる感じでした。それにしても50万年…。ヨルダンの時間軸の長さに気が遠くなりそうです。
紀元前1000年とか2000年のエリアの展示物も信じられないくらい洗練されていて驚きでした。動物の置物、ランプ、香料を入れるための小さな壷、ろくろで成形された土器など。美しい装飾や彩色が施されていて、質実剛健だけじゃないデザインへのこだわりを持った人たちだったんだと思うと、古代の人たちに親近感が沸いてきます。
ヨルダンは周辺の地域に栄えた文化、文明の影響や支配を受けつづけた歴史があり、メソポタミアやエジプトからの交易品、キリスト文化のモザイク、ギリシャ風の彫刻など、時代によって展示の様子がガラッと変わるのもおもしろい。そしてぺトラ遺跡のナバテア王国。ヨルダンの人たちが自国の歴史の中で一番誇りに思っている時代だそうで、この時代の土器は色はテラコッタ色だけど、薄さは磁器のよう、土製の水道管は素材を替えれば現代のものと言ってもいいくらい、全てが完成されている感じでした。
「パレオマニア」でギリシャの遺跡を見た主人公が「古代の人も現代の我々も美しいと思うものは同じなんだ。」と言っていましたが、その言葉を実感した展覧会でした。
by fumiko212 | 2004-11-06 01:23 | アート | Comments(7)
Commented by musajin at 2004-11-06 01:41
さすがです。美術班長!
ヨルダンってメソポタミア文明の地ですよね?(自信なし。)
こういうヨルダンの時間軸の長さって人間をゆったりさせる気がします。あわてずのんびりっていうのが、急いでよっ!!てときに出るのがコチラはイラつくけど…ってこれはケバブレストランでの話ですが。
Commented by fumiko212 at 2004-11-06 01:48
同じ時間にお互いのブログにコメントしあってますねー。チャットみたいだ。メソポタミア文明そのものズバリの場所ではないみたいです。(自信なし。)
歴史の短いアメリカ人もあわてずのんびりのときがあって、…ってこれはたかがキーホルダー1個を包むのに延々と時間をかけていたコーチの店員さんでした。しかも結局包めてなかったし。(紙袋の底にキーホルダーがゴロンと飛び出てた。)
Commented by musajin at 2004-11-06 12:49
コーチの話、ネタと思うくらい面白い(笑) 
ヨルダンってメソポタミアとは関係なかったんですね~、新発見(っていうか常識か…) 50万年前の石器が見つかるような国で日本との国交樹立がたった50年。きっと向こうも日本の事殆ど知らないんだろうなぁ…
Commented by fumiko212 at 2004-11-06 22:10
関係ないって言い切ってよいのか自信なくてすいません。少なくともヨルダン展のなかではそのような展示はありませんでした。(頼りなくてすいません。)
コーチの話、笑えるけど、紙袋捨てて帰ってきて、あけたら中身なし、なんてことにならなくて良かったと、本気で思いました。しっかりしてくれー。
Commented by yuricoz at 2004-11-07 02:22
ななんと、今日が最終日ですね♪しかし、fumikoさんのブログを読んで行った気になってるちゃっかり者です。王国か~
Commented by maruya-naoshima at 2004-11-07 04:13
こんにちは!fumikoさんのBlogとってもすてきですね!ひそかにNY行きを計画中なので、fumikoさんのお話をいっぱい参考にします!またウチのほうにも寄ってくださいね♪
Commented by fumiko212 at 2004-11-07 12:02
>yurikoさん
すいません。いっつも終了間際に滑り込みで見に行くので。マチス展もそうなりそうな予感…。

>まるや様
こちらにまでコメントありがとうございます!お店にうかがえる日を楽しみにしながらブログ読ませて頂きますね。


<< 1960年のニューヨーク アンティークが気になる >>