OZONE MAKOTO X'mas in BLUE@Bunkamuraオーチャードホール

b0031055_2136563.jpg小曽根さんが3年連続でプロデュースするBunkamuraオーチャードホールのクリスマスコンサート企画の2年目のコンサートに行ってきました。去年はチケットを予約したのに忙しくて取りにいけず聴き逃していたので、今年は絶対に!と思っていました。プログラムが発表されて狂喜♪NO NAME HORSESを引き連れてガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏するのだとか。どんな演奏になるのかチケットを取ったときからワクワクしてました。

会場に入るとステージにはピアノ2台とドラム・ベースのセッティング。ピアノ2台はプログラムにあるモーツァルト「2台のピアノのためのソナタ」の演奏用とわかりますが、ドラムとベース?どんなモーツァルトになるのか始まる前からこちらもワクワクです。

コンサートは小曽根さんのソロピアノで幕を開けました。真っ暗いステージにスッとピンスポットが当たるとピアノの前に小曽根さんが登場していました。そして始まったのがジョン・レノンの「スターティング・オーバー」。7月に杉並で聴いたときも大感激したけれど、今回は更に素敵だった気がします。そして自分自信のスターティング・オーバーにも思いを馳せてしまいました。2曲目は即興演奏。これも始まりから終わりがまったく予想できない展開で会場が1台のピアノからつむぎだされる音に集中しているのが感じられる演奏でした。

続いてピアニストのパウル・グルダさんが登場し、いよいよモーツァルトです。演奏前に「第3楽章はすごいことになるよ!」と予告があり、演奏が始まりました。2人が嬉しそうにモーツァルトを奏で始めます。第1楽章はいかにもモーツァルトなメロディ。でもたまに小曽根さんやグルダさんがそれぞれに走り出す感じが心地いい。クラシックのコンサートでは楽章間の拍手はしないのが慣例だけど、この日は第1楽章が終わって大拍手でした。第2楽章はメローな感じ。ウットリと聞き入っていると、舞台袖からべーシストの中村健吾さんが登場。2台のピアノを下からベースの柔らかい響きが支えてなんとも心地良い。そしていよいよ第3楽章。ドラムスの高橋さんが登場して高速でリズムを刻みます。そのリズムに乗ってモーツァルトのメロディが駆け出しました。もう、モーツァルトが聴いたらどんなに喜ぶだろう!っていう自由な世界でした。自由なんだけどそれはやっぱりモーツァルトのメロディも尊重されている感じで、本当にモーツァルトに聞かせてあげたい、って思いました。

さて、休憩が終わって席に戻ると、ビッグバンドのセッティングが出来上がっていました。かっこいい譜面台が並んでいてそれを見ただけで興奮してきました。
クラリネットがあのメロディを奏で、「ラプソディ・イン・ブルー」が始まりました。もう鳥肌モノのカッコよさ!よく知っているあのメロディをビッグバンドがタイトにビシッと奏でるカッコ良さといったら、もう言葉にできません。このバンド、本当にかっこいいよ。ニューヨークのジャズクラブでもこんなにかっこいいビッグバンドにはなかなか出会えないのではないかな?そうそう、11月にNYで聴いたビッグバンドはタルくてタルくて聴いていられなかったもの。
それはさておき、この日の「ラプソディ・イン・ブルー」がどれだけかっこよかったかというと、7月に小曽根さんがN響と共演する「ラプソディ・イン・ブルー」でガッカリしないか心配になってくるくらいカッコよかったんです!「かっこいい」ばっかりで己のボキャブラリの貧弱さにガッカリするんだけど、これはどこかでもう一度聴きたい。1回限りなんてもったいなさすぎます。
演奏が終わった後に小曽根さんが「こんなんもアリだよね。」とおっしゃっていましたが、これもモーツァルトと同様、ガーシュインに聞かせてあげたかった。そうそう、演奏の前に小曽根さんがオリジナルの「ラプソディ・イン・ブルー」について「あの時代を色濃く表現している曲だ。」というような解説をされていたけれど、昨日の「ラプソディ・イン・ブルー」はまさに2007年の「ラプソディ・イン・ブルー」でした。

モーツァルトにしても、ガーシュインにしても、楽譜としてメロディが現代に伝えられたことで、それがこの日、この瞬間に、こんなすごい化学変化を巻き起こして大きな会場をその音の洪水の中に巻き込んでしまう。音楽の長い長い歴史を超えて音楽家同士が会話をしているようで、音楽の偉大さを感じた2曲の演奏でした。

コンサートはまだまだ続きます。続いて演奏されたのは、NO NAME HORSESの新しいアルバムの中から、ザ・トリオのナンバーをビッグバンド用にアレンジし直した「No Strings Attached」。小曽根さんが「元々ビッグバンド用に書いた曲かと思うくらいかっこよくなった。」とおっしゃっていた通り、No Strings Attachedな演奏に大興奮。新しいアルバム、そしてその後のツアーへの期待が益々高まります。

ここからはアンコール。まず演奏されたのが、ジョン・レノンのクリスマスソング「ハッピー・クリスマス」。サプライズゲストの時任三郎さんがボーカルで登場しました。最後は会場も巻き込んで"War is over, if you want it"の大合唱。
アンコールは鳴り止まず、NO NAME HORSESで"TOIL & MOIL"。いつも以上にタイトでスピーディな演奏に心臓がバクバク。カッコよすぎる~。そして、休憩時間にお見かけしてから期待していたのですが、客席にいたソルトさんが舞台上に引っ張り出され、ピアノソロを熱演。小曽根さんとの連弾もあり、大盛り上がりでした。小曽根さんたちがピアノを弾いているときのNO NAME HORSESのバンドの面々の嬉しそうな表情が忘れられません。本当に自分達の演奏を楽しんでる!
まだまだ鳴り止まないアンコールに、最後は小曽根さんが1人で登場して、ソロでエルビス・コステロの"She"を演奏しました。小曽根さんのいろんなものに対する愛があふれる演奏でした。最後は客席を一番後ろまで歩いて退場。

怒涛のアンコールも含め、この日のコンサートでは、小曽根さんの魅力が爆発していました。彼の音楽は当然本当に素晴らしいんだけど、性格の良さというか人柄の良さがいつもステージからあふれ出て、会場全体が暖かい雰囲気に包まれるのがたまらなく心地よいのです。自分までいい人間になれたような気がしてきます。そして、すごく気持ちが前に向かっていくようなポジティブなエネルギーを受け取ることができるんです。ネガティブな感情がスーッと消えていく。そういう素敵なマジックを会場にかけられる力を持った、稀有な音楽家です。だからNO NAME HORSESのような最高のメンバーが集まったバンドが実現したんだろうな。小曽根さんの音楽を聴くのにふさわしい人間でいたい、とファンにも思わせてしまうんです。
昨日は帰る道すがら「小曽根さんって本当に最高だな。」と何度も何度も思いました。素敵なクリスマスのプレゼントをどうもありがとう。
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by fumiko212 | 2007-12-22 21:36 | 音楽 | Trackback | Comments(4)
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Commented by Koaniani at 2007-12-23 10:13 x
鳥肌ものの感動が伝わってくる文章でした!
生の音楽を心ゆくまで、味わってきたんだなー、良いなーと思いました。
昨日の朝、ケミストリーがジョン・レノンのHappy X'masを歌っていて、久しぶりにその歌詞を味わってみたいと思っていた所です。

ラプソディー・イン・ブルーでの、バンドのかっこよさ、私もいつかぜひ生で聞いてみたいです。

すてきなレポートありがとう^^
Commented by fumiko212 at 2007-12-23 12:01
Koanianiちゃん
長々と読んでくれてどうもありがとう!今回ほど自分の語威力のなさを嘆きながら書いたことはないくらいだよ。ホント、すごいコンサートでした。
Happy X'mas、いいよねー。この曲を聴くと、ああ、クリスマスだなー、今年も終わるんだなー、って思います。

>ラプソディー・イン・ブルーでの、バンドのかっこよさ、私もいつかぜひ生で聞いてみたいです。

もし、またNO NAME HORSESがラプソディ・イン・ブルーをやることがあったら声かけちゃう!
Commented by さちえ at 2007-12-24 23:28 x
「2台のピアノ」はメール着信音になってます♪
アルゲリッチ盤のがすきなんだけど、小曽根さんがどんな風にアレンジしたのか聴いてみたいな。
特に第3楽章って!???気になる〜〜
「ラプソディ…」も弾き手の個性が出ますよね。
オケが置いてかれる率がとても高い曲ですが、ビッグバンドがバックだとどんなだろう?
7月N響のはオーチャード定期ですよね?
うーん、興味出て来ちゃった♪
Commented by fumiko212 at 2007-12-25 21:29
さちえさん
この曲って「のだめ」のサントラにも入ってるんですよね?着メロにするくらい聴きなれている方の耳にはどんな風に聞こえるんだろう?聴いていただきたかったなー。
ラプソディ・イン・ブルーはその後家でオケ版をCDで聴きましたが、やっぱり小曽根さんのアレンジが断然カッコよかったですねー。でもオケと一緒にやるとき、小曽根さんがどう弾くのかにもとっても興味がわいてきました!


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