ベルリンフィル12人のチェリストたち@サントリーホール

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2年ごとに来日公演のある12人のチェリストたち。今年も聴きに行くことができました。

彼らの演奏を聴くのは今回で3回目。初めて聴いたときから4年経ったわけですが、1回目の時にはすでにチェロを習い始めていた、ということは、、、もうビギナーとは言えない年数が経ってしまったんです。気づいていなかったわけではないけど、マラソンやってたのはわずか3年くらいのことだったので、それよりは長く続いているのか。

実は、去年の夏の発表会が終わってから、練習に全然身が入らなくなってます。
去年の発表会の曲はその時の実力に対してかなり難しいと感じていて、発表会前の数週間はチェロを初めてから一番よく練習しました。直前には1週間の内3回くらい仕事帰りに教室に通って練習したりして、レッスンメイトともどもかなり頑張りました。が、本番は私個人は大失敗。椅子とエンドピンとの調整が上手くいかず、準備の整わないままピアノの前奏が始まってしまい、思うように音を出せないまま終わってしまったのです。

そのガッカリ感と、その後、先生の「今回の発表会で足りないところがわかった。」の一言で始まった修業のようなレッスン内容で、どうにもチェロの練習を楽しく思えない日々が続いています。そんな中、2か月後にはまた発表会があるのですが、今回与えられた曲はその修業のような練習でやっていたバッハの曲集の最後の1曲で、やっぱりあんまり楽しくない。。。まあ、練習をちゃんとやらないから楽しくないんだということはわかるんですが。あと2か月しっかり頑張れば楽しさが感じられるのかなあ。

そんな、しょんぼりしたレッスンの後にコンサート会場に向かいました。
今回は第1希望のS席が取れず、2階後方のA席。室内楽を聴くにはいかにも遠すぎた。いや、本来は遠すぎると感じない席だったかもしれないのですが、12人のコンサートはなぜか毎回客席がざわついていて、今回もそうでした。演奏中もずーっと客席から雑音が聞こえ続けているのです。多分、スポンサーの招待席のボリュームがすごく多く、2階席センターブロックはほとんどその人たちと思われ、そのあたりの人たちはパタパタと扇子で仰ぎながら聴いていたりするんです。そういう小さな物音がいくつも重なってあの雑音が形成されているんだと思います。それと天皇皇后両陛下がいらっしゃるのでその関係の人たち。今回は三越の幟を持った人もいて、そういうグループもいた様子。とにかく、このコンサートを聞きたくて、チケットを自腹で買って聴きに来ている人の割合が少ないのが原因じゃないかと思うんです。次回はどこか地方都市に聴きに行こうかと思うほど残念な客席なのです。

それでも、一生懸命演奏に集中して聴きました。
1曲目はバッハのブランデンブルク協奏曲の第6番。プログラムによると本来はヴィオラ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、チェロ1、コントラバス音域の楽器ヴィオローネ1という編成で演奏されるのだそうです。去年の発表会でやった曲がもとはヴィオラ・ダ・ガンバで演奏するバッハの曲(の一部)だったのもあって、聴き始めたら、去年の発表会の曲がありありと思い出されてきました。そして、この曲を聴いている間中、今すぐチェロを弾きたい!と思っていたのです。バッハの曲のDNAか、チェロだけのアンサンブルだったからか、とにかく練習したい気持ちをアップさせるのにすごい効き目!帰ってから聴いてもあそこまで今弾きたい!と思えてこないから、やっぱり彼らの演奏がもっと上手になりたい!という気持ちにさせてくれたのだと思います。
12人のレパートリーの中に、ブラジルの作曲家、ヴィラ・ロボスの「ブラジル風バッハ」の1番がありますが、もしかすると、ヴィラ・ロボスはブランデンブルク協奏曲の続きのような感じでこの連作を作っていったのかなあ、と思わせる曲でした。
「ブラジル風バッハ」といえば、私がチェロを習いたい!と決定的に思った曲が5番です。このブログでも何度も書いている、2008年のベルリン・フィル、ワルトビューネコンサートでドゥダメル指揮で演奏されました。風に吹かれながら8人のチェリストとメゾ・ソプラノがあの美しいメロディを奏でていた映像は今でも頭に焼き付いています。
という流れを考えると、ブランデンブルク協奏曲の6番をベルリン・フィルのチェリストの演奏で聴いて、私のチェロを弾きたいスイッチが入るのは当然のことだったのです。

前半のもう1曲はシューマンの「森の情景」というピアノ曲集からの楽曲のアレンジ、後半はポピュラーな楽曲が続きました。
その中で印象に残った1曲は「バードランドの子守歌」。2001年に初NY一人旅行をした時に行ったバードランドのことがまたもやありありと思い出されました。長らくNYのジャズクラブに行っていないけど、次はどこか1回くらい行きたいと思いながら聴いていました。曲のメロディの美しさがチェロで演奏されると際立ちます。そして、なぜジャズクラブに行きたくなったかというと、失礼ながらスウィング感はやっぱりジャズミュージシャンにはかなわないな~と思ったからです。今一つかっこよさには欠けてしまうのよね。

アンコールは「ラブ・ミー・テンダー」「リベル・タンゴ」「荒城の月」と続きました。前回もアンコールで演奏された「荒城の月」、チェロで奏でられるメロディの美しさが心の奥底に訴えかけてきます。
12人のアレンジは常に1番奏者が主旋律を奏でているわけではなく、曲によって各メンバーが入れ替わりながら主旋律を担当しています。1人1人の個性までは私の耳では到底ききわけられないのですが、ソリストが奏でるメロディに乗って、その曲の世界が遠くの席にいる私の心までもしっかりと揺さぶってくる。コンチェルトのソリストの演奏でもなかなかそこまで感情を揺さぶられることはないのですが、彼らの演奏会ではその瞬間が何度も訪れる。彼らの表現力がそこらのソリスト以上に素晴らしいのか、彼らが毎週、毎週、世界最高峰のオーケストラの舞台であらゆる楽曲を演奏している人たちだからなのか、受け取る私のなけなしの集中力のなせる技なのか。聴くからには最高の条件で聴きたいけれど、それがいつでもかなうわけではないのが演奏会というもの。そんな中、やはり今回も素晴らしい音楽体験をさせてもらえたと思います。
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by fumiko212 | 2014-07-10 22:17 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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