小曽根真さんと井上道義さん

渋谷Bunkamura、オーチャードホールへ東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会へ行ってきました。年間会員で購入していたチケットですが、今回は大好きなジャズピアニストの小曽根真さんと指揮者の井上道義さんの共演。いつも以上に楽しみに会場へ向かいました。

今日のプログラムは…
指揮:井上道義
シロフォン:通崎睦美
ピアノ:小曽根 真
紙 恭輔:シロフォンと管弦楽のための協奏曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」
ハイドン:交響曲第96番「奇跡」
モーツァルト:交響曲第25番


小曽根さんは2曲目のピアノ協奏曲のソリストとして登場。小曽根さんは、ここ数年は、グラミーでクラシック・クロスオーバー部門にノミネート、ピアノコンチェルトの作曲・指揮、など、クラシックの世界にも活躍のフィールドを広げつつあります。
オーケストラとの共演もコンスタントに続けられていて、2001年12月にも井上さん指揮の新日本フィルと共演しています。そのとき聴いたバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」はクラシック・ピアニストにはない魅力あふれる演奏でした。2001年12月の不穏な世界の空気と、この曲が生まれた時代のNYの風を感じた演奏でした。

井上道義さんの指揮をはじめて聴いたのはオルフの「カルミナ・ブラーナ」の演奏会でした。衣装(演奏会形式なのに…)や字幕などの演出も井上さんが手がけた演奏会は、とにかく楽しくて、クラシックの垣根を取り去ってくれました。クラシック初心者向けの、聴いたことのある曲ばかりを集めたコンサートよりも、ずっとクラシックへの扉を開いてくれる演奏会だったんじゃないかと思います。

さて、今日はモーツァルト。オーケストラの編成も小さめですし、どんな演奏になるのか、少しドキドキしながら聴きました。第1楽章のはじめ、小曽根さんのタッチが今まで聴いたことのないものだということにすぐに気付きました。普段のライブとももちろん違いますし、「不安の時代」の時とも全然違います。「不安の時代」の時はジャズピアニストの演奏でしたが、今回はジャズでもクラシックでもない、作曲家の演奏…といえばいいのかな。モーツァルトと対話しているような演奏でした。第2楽章もまだまだ抑えた演奏が続きました。そして第3楽章中盤、遂にそのときが来た!小曽根さんの左斜め後ろに座っていたコンサートマスターと小曽根さんにバチッと電流が走った瞬間を私は見ました。そこから終盤まで、小曽根さんとオーケストラの幸せな時間が続きました。
そのオーケストラと何度も共演しているソリストを迎えての演奏会の暖かい雰囲気が好きでした。でも、今回のように初共演のソリストとオーケストラがガッチリと信頼関係で結ばれる瞬間に立ち会えるというのも、スリリングでもあり、興奮するものです。

この後、アンコールで小曽根さんが再登場し、ピアノを弾き始めると、井上さんが1曲目で使用したシロフォン(木琴の一種)を舞台中央に引きずってきました。1曲目のソリストのマリンバ奏者通崎睦美さんを連れ出して、2人でモーツァルトの「5つのコントルダンス」よりNo.1(=「フィガロの結婚」より「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」)を演奏しました。このデュオの演奏の楽しさといったら!
井上さんはこのシーンを想定して今日のプログラムと出演者を決めたとしか思えません。(4曲目の交響曲25番は映画「アマデウス」のメインテーマ曲。)オペラを指揮されることもあるそうなので、いつかは彼の指揮するオペラを観てみたいと思います。もちろん小曽根さんとの共演も、次の機会が楽しみです。
いいコンサートでした。
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by fumiko212 | 2005-02-13 23:10 | 音楽 | Trackback | Comments(3)
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Commented by Shoe at 2005-02-14 21:42 x
小曽根真がモーツァルトかあ。ずいぶん前に、キース・ジャレットとマッコイ・タイナーのソロで、モーツァルトのコンチェルトやったのを、テレビでみたことがあるな。キースはめちゃくちゃうまかったけど、マッコイはいまいちだったのを思い出しました。
Commented by Shoe at 2005-02-14 22:46 x
マッコイじゃなくて、チック・コリアだった。
Commented by fumiko212 at 2005-02-15 00:42
Shoeさん
小曽根さんが初めてクラシックの曲を弾き始めた頃、競演したクラシックのピアニストに、タッチが全然できてないとあきれられてしまった苦い経験があるそうです。昨年秋には、学校に通われてたそうで、クラシック分野で勉強されたそうですよ。


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