3年分の思いを胸に

このブログでベルリン・フィルについて初めて書いたのが2008年11月のことでした。
テレビでベルリン・フィルの演奏とは知らずに聞いたオーケストラの演奏に心を奪われたあの日から3年の月日が流れたこの11月に、やっと、やっと、ベルリン・フィルの音楽を生で聴く日が訪れました。

3年前のあの日、プラシーボ効果なしには音楽の良し悪しなんてわかんないだろうなーという私の耳でもその良さを聴きとれたのがうれしくって一気にファンになりました。
その後もテレビやラジオでコンサート中継をやっているのを聴いたり、デジタル・コンサートホール(インターネット中継)の無料視聴でいくつかの定期演奏会を聴いたりしてベルリン・フィルの音楽に接してきました。夢中になって聴きまくっているというほどではなく、折に触れて、という程度でしたが。
演奏以外にもドキュメント映画を見たり、元コンサートマスターの安永徹さんの対談集を読んだり、その安永さんの演奏会やベルリンフィル12人のチェリストたちの演奏会に行ったり。さらには、あのコンサートで見た8本のチェロとソプラノ歌手で演奏されたヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ5番の素敵さにそれまで漠然としていたチェロ習いたい思いが臨界点まで達してしまいチェロまで習い始めちゃった。そうやって小さくいろんな変化が起こっていたこの3年でした。こうして外堀はかなり埋まってきていたんですが、やっぱり本丸は遠い。

震災直後のラトルからの日本へのお見舞いメッセージの中で11月には日本公演を行うというコメントがあって、それでも自分は行けないような気がしてた。チケットを取るのも大変そうだし、チケット代はきっとすごく高いだろうし、、、と。
詳細が発表になると思った通りの高額チケット。今となっては高いけど不当に高かったとは思わないけど、1回のコンサートに数万円というのは私の金銭感覚ではどうしても尻込みしてしまう。
そうこうしている内に販売各社が優先エントリーを受け付け始めたので、選べる席種の中で一番安かったB席にエントリーしてみた。本当に絶対に行きたければ、一番席数が多いS席にエントリーするんだけど、まあ取れなきゃそれで諦めつくし、むしろ取れなくてもいいやという気持ちが半分。案の定、チケットは全部落選して、一般発売当日。これもダメもとでインターネット販売のサイトにアクセス。まあつながらないだろうなと適当にいじっているとB席が1枚だけ出てきた。3万円も出してそこですか?という場所。どーしよっかなあと保留にしているつもりだったら、どうもそれは購入確定ボタンを押した後の画面だったらしく、結局チケット購入していた。そんなこんなでかなり消極的な感じでチケット入手。

それでも、自分なりに行きたいプログラムの日を購入しました。演奏するのは3曲でラヴェルの短い曲と細川俊夫さんという日本の現代作曲家のホルン協奏曲の日本初演、そしてブルックナーの9番。
ブルックナーの9番は、丁度その3年前にサービスが始まったデジタル・コンサート・ホール(ベルリン・フィル定期演奏会のライブ・インターネット配信サービス)のプロモーション映像で流れていて、何度も何度も聴いて耳になじんでいた曲。さらに日本初演のホルン協奏曲というのも魅力的。以前も書きましたが、在京オケの定演に行っていると日本初演の楽曲を偶然に聴けることがあるのですが、そういうコンサートは印象に残ることが多く、いつもいいもん聴いたなーと思えていた自分を思い出していました。もちろん、予習できない知らない曲を聴くというリスクもあるのですが。
などとかっこよく(もないか、、、)書いてますが、コンサートホール前の広場に着いた私は全然前向きじゃなく、最近では珍しい趣味の悪いブランド物のバッグを持った人がやたら多いことが気になって仕方なかったです。やっぱ、こういうコンサートは金持ちの道楽なんだろうか、、、なんて思ったりして。

いや、でも、この日本初演の曲がツアーのプログラムに入っているというのは私にとってはかなりうれしい材料だったことは事実です。

以前にデジタル・コンサートホールで見た定期演奏会の中で印象に残っているプログラムがあります。
ひとつはウィントン・マルサリス率いるジャズ・アット・リンカーンセンター・オーケストラと共演したコンサート。アンコールではオケ団員も即興演奏に加わって大ジャムセッションになったすごいコンサートでした。
それからもうひとつ。これは実は全編通して視聴してはいないのですが、ピーター・セラーズ演出による超斬新なマタイ受難曲。客席まで使って演奏者が動き回りながら演奏をしている、まるでストレートプレイのお芝居を見ているようなクールな演奏会で、これ時間があったら全編見ようと思っていたことを思い出しました。

そういうコンサートを見るたびに、やっぱり地元で定演を聴いてこそのベルリン・フィルなんだなーと思っていたのです。こういうのも演ってしまうのがベルリン・フィルの懐の深さ、かっこよさ、私がベルリン・フィルかっこいいと思うポイントです。
でも、そういったプログラムを海外ツアーに持ってきてくれるということはあまりないんじゃないかな、と思っていたのです。(実際はどうだか知らないですけど。)

これくらいグダグダ考えないと行く決心がつかないくらい、私にとっては高いチケット代でした。

さて、いよいよ演奏会が始まります。 つづく
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by fumiko212 | 2011-11-26 00:08 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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