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7月に読んだ本

思えば、携帯でメールができるようになった頃から通勤に文庫本を持ち歩くということをしなくなり、読書から遠ざかっていました。地下鉄通勤者なので、駅に着くたびにデータを読み込む。けれどとにかく反応が遅くてイライラしている時間が長い。ただでさえストレスのたまる通勤電車で自らイライラのタネを作るのもバカらしいので携帯をいじるのはやめにしました。幸い現在の勤務先は朝が早いので満員電車というほどの混雑ではなく、よほどのトラブルがない限り本を広げる余裕があります。そんなわけで久しぶりに紙に印刷された活字を追う時間が増えています。
私が読む本というのはほとんどが図書館の本か父の遺した蔵書。(家中にあふれる父の蔵書に30年間悩まされ続けた結果、自分は本は図書館で借りるもの、と割り切るようになりました。)そのせいか、自分が読んだ本を忘れてまた借りてくる、読み始めて読了本だと気付く、というケースが頻発します。そこで記録用に読書メーターというサイトを利用し始めました。
7月はまとまった読書ができたので(先月までは数ヶ月に1冊とか、情けないペースだった。)、ブログ用のまとめ機能というのから以下コピペしました。(リンクはうっとうしいので削除。)

どれもハズレなく楽しい読書生活でした。
特にN響オーボエ奏者茂木大輔さんの著書は2冊ともおもしろかった。他の著書も図書館で借りてみようと思ってます。
ちなみに画面右側の「最近読んだ本」というところに読書メーターの更新履歴が自動的に表示されています。(但し、表紙の画像がない本は更新されないみたいです。)


青木和子 クロスステッチAtoZ青木和子 クロスステッチAtoZ
読んだって、作らなきゃ意味ないけど。f^_^;)3月に恵文社で見てかわいいなと思ってた本。クロスステッチ好きだからひっさびさにやってみたくなって借りてきた。ホントにやるなら買わなきゃダメだ。目が見えるのかが心配。笑
読了日:07月31日 著者:青木 和子

きりのなかのサーカスきりのなかのサーカス
恵文社の本で紹介されていた1冊。想像以上に贅沢な造本で嬉しい驚きだった。一羽の小鳥のページをめくって、裏から見えた小鳥は確かに霧の中。あのひんやりした霧が自分の周りにも現れた。霧の向こうにサーカスが見えてくる感じも素晴らしい。サブダの飛び出す絵本以上にアートな絵本。
読了日:07月31日 著者:ブルーノ ムナーリ

屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)
全シリーズを通して一番人気があるのは毒猿なんだそうだけど、私はあの残酷さがどうも…。今回は3人の女を巡る因縁が昼ドラちっくで読みやすかった。シリーズが続いてるんだから晶も鮫島も無事なんだとわかっていてもハラハラしてしまう。犯人側だけでなく、晶、藍といった芯の強い女たちの機転もあって、ある意味女のハードボイルド。ほぼ日きっかけでシリーズ読み始めた私みたいな読者にはすごくとっつきやすかった。
読了日:07月28日 著者:大沢 在昌

夜の試写会 (リディア&ビル短編集) (創元推理文庫)夜の試写会 (リディア&ビル短編集) (創元推理文庫)
翻訳済みの長編は全部読んじゃって、本国では2002年を最後に出版されていないようだったし何かの理由でこのシリーズを辞めてしまったのかと心配していたら、2009年以降新作(長編)がふたたび出版され始めていた。で、この短編集は次の長編の翻訳版が出るまでのつなぎとして日本で出たようだ。リディアとビルの着かず離れず、それでいてお互い通じ合っている関係は健在。新作が楽しみ。このシリーズ以外の作品も翻訳されて欲しい。911を題材にした長編に原書で取り掛かるか思案中。
読了日:07月25日 著者:S・J・ローザン

ボクらの時代 ロングヘアーという生き方ボクらの時代 ロングヘアーという生き方
本屋で見かけて図書館に速予約した。ゲラゲラ笑いながら読んだ。一番笑ったのは、高見沢氏が進学希望に「仏文科志望で、専攻は日本史って書いた」というくだり。リリーさんの「もう最初から間違えてますね。」の冷静なツッコミが最高。草食系やアラフォーは頷けた。行くなら地獄の進学校とかも。こういう鋭い話も何気に入ってる。終盤のとんまつりビックリした。日本ってすごい国だ。これどんな風に編集してオンエアしたんだろうか?笑
読了日:07月20日 著者:みうらじゅん,高見沢 俊彦,リリー・フランキー

オケのなかの蛙、大海に挑むオケのなかの蛙、大海に挑む
茂木さんの文章の上手さに今回も引き込まれた。演奏家が曲を完成させる過程の描写には音楽が聞こえてくるような臨場感があった。最近聴く頻度が増えてきた室内楽のコンサートをもっと聴きたくなった。茂木さんの音楽に対して理想とする考え方に自分のリスナーとしての態度と近いものが感じられて勇気づけられる。
読了日:07月14日 著者:茂木 大輔

毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)
残酷すぎる描写に萎えそうになりながらも読了。毒猿の望みも郭の望みも叶えられた結末だったのが救い、なのかなー。奈美の人生を思うとやりきれない。鮫シリーズこれから読んで行きたいけど、間に別のほのぼのできる本を挟まないと読み進められないわ。本編とは関係ないけど図書館から借りたこの本の汚なさにも萎えた。古いベストセラーだから仕方ないけど、村上春樹ならこうはならない。ハードボイルド小説の読者って…。
読了日:07月10日 著者:大沢 在昌

オケ老人!オケ老人!
スパイの話いらないような気もしながら読んだけど最後はどっちの話もどーなる?どーなる?と読んでいた。なくても充分面白くできる話だったと思う。例えばお年寄りたちのエピソードとか、学校での先生のこととか、もうちょっと読みたいなとも思った。けど、このくらいが丁度いいさじ加減なのかも。面白く一気に読みました。
読了日:07月06日 著者:荒木 源

オーケストラ空間・空想旅行―オーボエ奏者の旅日記オーケストラ空間・空想旅行―オーボエ奏者の旅日記
ヨーロッパが東西に分断されていた時代に西ドイツを拠点に活動していた若きオーボエ奏者の回想録。東側への演奏旅行でホームステイした家庭の姉妹との交流に胸を衝かれた。彼女たちは今どんな人生を送っているんだろうか。また、西洋と日本での音楽教育の違いや厳しいオーディション、読む話すべてが興味深かった。そしてこういう経験を積んだ演奏家がいるN響ってやっぱすごいんだな。茂木さんの文才(のおかげ)でこんな話を読めることにも感謝。
読了日:07月03日 著者:茂木 大輔
by fumiko212 | 2011-08-06 10:26 | 本・雑誌 | Comments(6)
Commented by oshi001 at 2011-08-06 18:57
お~新宿鮫とは!実は殆ど読んでます(笑)
春樹も読むけど、大沢も読むハードボイルド読者です。
Commented by fumiko212 at 2011-08-07 08:33
鮫はほぼ日で絆回廊連載せれてたのがきっかけで、といってもその連載は読んでないんですが、関連コンテンツで大沢さんの人柄に感銘を受けて(?)読み始めました。面白いですねー。毒猿の派手な殺し方もすごかったけど、屍蘭のおばちゃんの殺しっぷりも怖かったです。後7冊読みますよー。
Commented by せみこ at 2011-08-08 23:04 x
ムナーリの本が!!読んでみたい(見てみたい、か)けど売ってないんだよなー、と思ってましたが、図書館という手がありましたね。早速検索してみます~♪
茂木さんの「拍手のルール」という本も気になりつつ読んでなかったので、これを機に検索してみよう。
本が捨てられない性分だということに気付き、なるべく図書館で借りるようにしています。
Commented by さちえ at 2011-08-10 07:21 x
最近移動のお供には新書を選びがちで、いわゆる「文芸」とは遠ざかっているのだけど、この夏休みは一度読み終えた「蔵書」をじっくり読み直したいと考えてます。
茂木さんの本は両方読みましたよ。面白かったです。
同じ時期に宮本文昭さんの本も読んでたので、内容がごっちゃになっていますが(苦笑)
Commented by fumiko212 at 2011-08-10 23:32
せみこさん
ムナーリの本、ぜひぜひチェックしてみてください!何度見てもページをめくる度に、あっ、ていう驚きがあります。パターン化されてない線や色なんです。本当に素敵でした。
私は自分の本はさっさと捨ててしまえるのに、父の本は全然捨てられません。困ったものです。
Commented by fumiko212 at 2011-08-10 23:40
さちえさん
茂木さんの文章はリズム感があってスラスラ読めます。
しつこく怖いデュトワと録音したプロコフィエフ6番のピタリと揃った木管、これが茂木さんの書いてた100%の演奏か、と感動しました。今のベルリンフィルの首席オーボエのアルビとニューヨークでインチキ賭博のカモになった話が私的には面白くて好きでした。


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