最近、ブログをほとんど更新できず、いろいろ書きたいことはあったのに、どんどんそれらの記憶が薄まってしまってます。2年前から使い始めた「ほぼ日手帳」には、それこそ1つのコンサートで4日分くらいのページをつかって感想を書き綴ったりしているので、「書いている」という印象はあるのですが、自分以外の人が読む前提の文章の書き方が、最近よくわからなくなってしまって。どうやって、どういうことをブログに書いてたんだっけ?
ところで、今日のほぼ日の更新で、糸井さんのコラムに対する読者のメールがいくつか紹介されていました。通常は1日で消えてしまう元のコラムも再掲載されていて、常日頃自分が思っていたことが書いてあったので嬉しくなりました。 興味のある方はリンク先で全文を読んでいただくとして、一部転載させていただきます。 「お客」と呼ばれるものについて考えてみると、 「ただ楽しむ」ことを磨いている 「オーディエンス(観衆)」の役割をする人たちの数が、 じわじわと減っていると思うんですよね。 古典的な例でいえば、歌舞伎座に行くからと着物を着て、 連れ立って機嫌よく芝居見物している人だとか。 一杯やりながら早い時間の相撲を観てる人たちとか、 ひたすらに「受け身」な楽しみ方って、 けっこう貴重になっているんじゃないでしょうか。 ぼくとしては、この「受け身」の上手な人間が、 ほんとうはいちばん楽しんでいると思ってるんです。 この前で述べられていることは、純粋な「観衆」が今は減っている、「フォロアー(予備軍=その世界を目指している人)」だったり、「批評家」だったり、そういう目で見ている人が多い、というようなこと。 自分自身はどうかな?ブログに何かの感想を書くとき、なるべく自分が思ったことを率直に自分の言葉で書きたいなと思ってます。とにかく見たときと同じ、自分の持っている少ない知識だけで書いちゃう。面倒くさがりなのもありますが、ブログを書くために何かで調べたり、とかはあまりせずに。(それやると引用ばっかりの文章になってしまうし、もしどうしても知りたいことを調べたら、どこどこで調べたらこう書いてあった、と書くようにしているつもりです。)だからきっと間違ったこともいっぱい書いていると思う。で、間違ったことが後でわかってもあまり直さない。(それこそ、ただのものぐさだな。) それでも、ブログに書こう思っただけで、ものの見方が批評家目線になってしまってるかも?といつも気にするようになりました。例えば、ブログに書こうと思っていなくても、美術館で絵を見るときに、自然と言葉を捜してしまうのです。ただ感じるのではなく、それを自分の中で言葉で表そうとしてしまう。それはいいことなのか、悪いことなのか。 そのようなことを1年前のブログにも書いていました。 少し前に、「ラジオ深夜便」というNHKラジオの番組で、石澤典夫アナウンサー(かつて日曜美術館の司会を務めていらした方)が担当の日に「私のアート交遊録」というコーナーに美術史家の山下裕二さんがゲスト出演され、お二人で対談していました。ずいぶん前の放送だったので記憶があいまいなのですが、山下先生が「日本の美術展の悪いところは、説明が多すぎること。入口の挨拶文も絵の横の解説文もオーディオガイドも要らない。」というようなことを話されていました。石澤さんが「素人は自分の感性に自信がないから、頼りになるんですが。」とフォローしてたんですが、「今はブログとかで自信過剰の人もいますけどねー。」とチクリ。ハハハ。いるいる。と思いつつ、あれ、私は自信過剰のつもり全然ないけど、そう思われてたらはずかしー、と思ったり。対談後に石澤さんが「何も感じないあなたの感性こそ正しいのかもしれないのだから。」とまとめのコメントをされてました。この言葉、勇気が出ます。 あの解説文は本当にいらない。なぜなら、混んだ美術展で絵の正面に立ちながら、脇の解説文を読んでいる人の多いことにいつも閉口していたから。といいつつ、自分も流れでそうなっちゃうことがあるんだな、これが。 その対談で、山下先生が開高健さんの「ピカソはほんまに天才か」というエッセイを紹介されていました。と、その日のほぼ日手帳に書いてあるけど忘れてて、まだ読んでいません。先生の紹介では「ピカソのどこが天才なのか?」と疑問に思った開高さんが、いろいろな人に聞いて回る、というお話なんだそうです。確かみんな言葉を濁す、というような話だったかな。(この辺りうろ覚え。)改めて読んでみようと思います。 で、私が大好きな集まりに我らが「美術班」の美術鑑賞会があります。このブログでもたびたび「美術班」が登場しているのですが、とにかく友達とワイワイと一緒に美術展に行き、それぞれバラバラに鑑賞し、その後ごはんを食べながら感想を述べ合う、という会です。先日のオルセー展では、ゴッホ様好きのYさんがゴッホ様の絵の前で感動しすぎて男泣きに泣いたり、去年のゴーギャン展ではゴーギャン嫌いのm社長が、ゴーギャンの代表作を「あのデカイ絵」とバッサリ切り捨てたりと、とにかく率直に飾らない言葉で感想を喋り散らす。で、えーっ!気付かなかったー!ということが出てきたりして悔しがったりもします。美術展の楽しみが何倍にもなります。 えーっと、何の話でしたっけ?あ、そうそう、「ただ楽しむ」。美術班の鑑賞会はかなり「ただ楽しむ」をやれてるんじゃないかなー。あ、でも、私以外のメンバーは皆さんそれぞれ、知識も豊富だし、ものの見方も多様で、後日、それぞれの皆さんのブログを読むと、なるほどーとうなってしまうのです。私だけが万年ド素人だ。 その言い訳といえなくもないですが、積極的に「ただ楽しむ」を極められるよう、精進したいと思います。 もっといろいろ書きたかったのに、なんか違うまとめになってしまったような、、、まあいいか。笑
by fumiko212
| 2010-09-19 23:17
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Comments(6)
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Koaniani
at 2010-09-21 21:52
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久々にブログを拝見して・・・
この「ただ楽しむ」ということに、感動しました。 過去にできてた「こうすれば、きっと楽しい」っていう法則が一旦崩れると、一生懸命に探せば探すほど見つからない。 とりあえず、この人たちと、あの場所で会えば、何か良い感じ。 というようなわくわく感を、当たり前に思えることが大事なんだな。 確かにこの瞬間、私の心は自由ですって、言えるような。 無邪気な心を持った大人として。 未知のことも、良い意味での期待外れが、あるかもしれない。 これを機に私も精進。。。 Fちゃんの表現に素直さとセンスを感じるな~。 無意識にもいろいろと影響されちゃってる。すげー!
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fumiko212 at 2010-09-27 21:56
Koanianiちゃん
お久しぶり♪ >過去にできてた「こうすれば、きっと楽しい」っていう法則が一旦崩れると、一生懸命に探せば探すほど見つからない。 あ、なんか、これわかるなー。 でも同じにしても、時間が経ってるとなんか違ったりしてね。 人と一緒で楽しいということもあるけど、本当に楽しいのは一人で何かに熱中しているときなのかもなーと思ったりもする。エントリに書いた美術班も、見るときはみんなバラバラなんだよ。 別の日の糸井さんのコラムに「群れていることのなかにも、いいことはありますが、孤独を知っているものが寄り集うのでなければ、力にもなりませんし、おもしろくなんともない。(中略)「ひとり」が、まずはすべてのはじまりです。」って書いてあって、嬉しかったなあ。そんな風に集まれるといいよね。
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Koaniani
at 2010-09-27 23:32
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fumiko212 at 2010-09-28 21:47
Kちゃん
んもー、深く考えないでー。 仕事じゃないんだから無理することない。自分が心地よければよいんだよ。自分と似たような人の中にいると心地よい人もいれば、それが苦痛な人もいる。若い頃と違って、私たちもいい年齢になってきたんだから、プライベートの人付き合いで無理することはないよ。ね!
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Koaniani
at 2010-10-06 06:32
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ありがと。
ただ楽しむんだもんね。^^へへへ。
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fumiko212 at 2010-10-07 23:19
そそ。私もまだまだ修行がたりないよ。
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